リバプールが昨年夏から追い求めるブライトンに所属するマリ代表MFイヴ・ビスマ。25歳ミッドフィルダーは今シーズンも主軸として活躍しており、プレミアリーグで14試合に出場。シーズン序盤に好調を維持し、躍進し続けたチームを中盤で支えた。
守備的ミッドフィルダーとして、中盤の底でボールを奪い取る能力を持ちつつも、攻撃面でも適切なパスや攻め上がりでチャンスにも絡める。無尽蔵のスタミナも持ち合わせており、アフリカ人らしい身体能力の高さも評価されている。
ジョルジニオ・ワイナルドゥム退団に伴い、守備面でも貢献できる中盤の選手を探していたリバプールがマリ代表MFの動向を追っていた一方で、アーセナルやマンチェスター・ユナイテッドらプレミアリーグ強豪クラブがこぞって関心を示していた。
今季も安定したパフォーマンスを披露する同選手への関心は薄れておらず、リバプールやアーセナルが引き続き獲得の可能性を探っている。ブライトンはこの冬での放出を望んでおらず、オファーに対して強気の姿勢を崩していない。
そんな中、注目が集まる同選手の移籍金が判明した。『The Athletic』によれば、ブライトンは5000万ポンド(約70億円)以下での売却は考えおらず、獲得を目指すクラブは同額以上の資金を投資しなければいけない。
ただし、ブライトンもあぐらをかいてはいられない。所属クラブとイヴ・ビスマとの契約は2023年6月末までとなっており、早ければ今夏に決断が求められる。契約延長がうまく行かなければ、多額の移籍金を得るために、今年の夏の移籍市場での売却も頭をよぎるはずだ。
その場合には、5000万ポンド(約70億円)を要求するのは難しく、より割安な金額での放出が余儀なくされる。つまりは関心を示すクラブにとって、半年間を待ってから動く方が懸命かもしれない。
リバプールではタイラー・モートンが台頭し、見事にファビーニョのバックアップを担っている。さらには、ミッドフィルダーの枚数自体は揃っており、早急にマリ代表を迎えなければいけない状況とは言い難く、法外な移籍金を支払ってまで緊急事態に陥っているわけでもない。
とはいえ、中盤での守備強度の低下は深刻な問題。ジョーダン・ヘンダーソンとジェームズ・ミルナーは年齢を重ねており、全盛期のプレーを毎試合続けるのは困難。チアゴ・アルカンタラも負傷が続いており、期待の新星ハーヴェイ・エリオットも長期離脱中。
他のミッドフィルダー陣では、中盤でのプレッシングがうまくいかない試合も多く、結果的に高いラインを保つ最終ラインの裏を簡単に抜かれて、容易に失点してしまうシーンも散見されている。
ふたたび中盤にエネルギーを注入するためにも、運動量豊富な守備的MFの今夏での確保は必須。他には、フランク・ケシエ(ACミラン)やデニス・ザカリア(ボルシア・メンヒェングラートバッハ)らも獲得候補に挙がっており、ブライトンMFだけフォーカスしているわけではない。
この冬にリバプールが動く可能性はほとんどないが、夏の移籍市場でイヴ・ビスマ獲得の朗報が届く未来はやってくるのか?はたまた、別のミッドフィルダーがアンフィールドに上陸するのか…?