チャンピオンズリーグでヒーローになったベルギー代表FWディボク・オリギは、以降リバプールでの出場機会確保に苦戦している。フロントスリーの厚き壁に阻まれ続けている間に、ディオゴ・ジョッタや南野拓実の加入で、序列は次第に下がっていった。
昨夏にも売却の噂がメディアを賑わせたものの、結局はアンフィールドに残留。しかし、出番はさして増えず。今シーズンはここまで10試合5ゴール2アシストと数字だけ見れば十分だが、スタメンはカップ戦とチャンピオンズリーグの計4試合のみ。あとは途中出場で、数分から10分程度のプレーに留まっている。
それでも、劇的ゴールを決める能力は衰えていない。守備を崩すことに苦労したウルバーハンプトン・ワンダラーズ戦では、最後の最後に決勝点をマーク。カラバオ・カップ3回戦と4回戦では1ゴールずつ奪っており、貴重なバックアップ・メンバーを務める。
元リールFW側のコメントが出ておらず、同選手の意向は推し図りかねる。ただし、26歳と選手生命で最も状態が良いとされる年齢に差し掛かっており、選手である以上は出場時間を確保したいだろう。そして、新たなフォワード探しているリバプールでは、到底難しい課題だ。
この冬にも、しきりに移籍報道が過熱している。ACミランなどセリエA勢や、かつてヴォルフスブルクでプレーした経験があるブンデスリーガから関心が届いているとされる中、所属クラブは今年1月の移籍市場での放出は考えていない、とファブリツィオ・ロマーノ氏(ジャーナリスト)が伝えている。
Liverpool are not planning to sell Divock Origi in January despite approaches from Serie A and Bundesliga clubs. No negotiation for Luís Diaz with FC Porto – Origi will be needed and Klopp asked him to stay until June, as things stand. 🔴 #LFC
— Fabrizio Romano (@FabrizioRomano) January 8, 2022
今冬での新フォワード獲得が難しいリバプールにおいて、途中交代では実力を発揮できるジョーカー的なストライカーは貴重な戦力。アフリカネイションズカップでモハメド・サラーとサディオ・マネを欠き、今年2月からはチャンピオンズリーグが再開。延期した試合も差し込まれるため、日程はさらに過密に。
そんな中で、南野拓実やディボク・オリギはいざという時に欠かせない戦力。さらには、新型コロナが蔓延するイギリス国内だけに先行き不透明な最中、リバプール生活に慣れ親しんだ選手を手放す必要性は全くない。
ジャロッド・ボーウェン(ウェストハム)やアルノー・ダンジュマ(ビジャレアル)、ハフィーニャ(リーズ)ら獲得候補に対して、本格的に動き出すのは今年の夏になりそう。
2022年6月末で契約満了を迎えるベルギー代表FWとは、オプションで付随している契約延長を締結した上で、新たなストライカーと入れ替わる形で新天地を探すのが現実的な路線と言える。
今年の夏には、ディボク・オリギの次なる挑戦の場とともに、フロントスリーとポジションを争う新戦力に注目が集まりそうだ…