セレッソ大阪からRBザルツブルクを経由して、リバプールに加入したのが2020年冬。チャンピオンズリーグでリバプールと戦った際に印象的なパフォーマンスを披露したことをキッカケに、割安な移籍金も相まって、リバプールは迅速な動きで日本代表FW南野拓実をチームに加えた。
フィジカルや試合のスピードが格段に上がるプレミアリーグにおいて、1年以上苦労し続けた元セレッソ大阪FWは、昨シーズンにはサウサンプトンへ半年間のレンタル。チームにも馴染み始め、今シーズンは周りとの連携もさらによくなり、前線でのプレーもレベルアップ。
ただし、モハメド・サラーやサディオ・マネ、ディオゴ・ジョッタ、ロベルト・フィルミーノら世界的なフォワード陣を前に、あまり出番は多くない。中盤や試合終盤での守備固めでの投入も多く、プレッシングの激しさこそ評価は高いが、フロントフォーの壁は厚すぎる。
今季こそカラバオカップ戦で連続してゴールを決め、自身の誕生日にはバースデーゴールを奪うなど、イングランド・サッカーにおいても確実に得点を決められるプレーヤーに成長。日本代表でも36試合16ゴールと主軸を担う同選手には、智将マルセロ・ビエルサ監督が関心を示していたようだ。
『The Independent』によれば、リーズ・ユナイテッドとASモナコからの同クラブFW南野拓実へのアプローチを拒否。具体的な獲得オファーこそないものの、リバプールは同選手の売却に関心を持っておらず、貴重なチームプレーヤーであることが暗示されている。
チームのエースで、イングランド代表にも招集されているFWパトリック・バンフォードのコンディションが整わずに、ゴール前の決定力不足に苦しむリーズ・ユナイテッド。ロドリゴやダニエル・ジェームズに加えて、若手FWジョー・ゲルハルトも代わりにはなり切れず、順位も上がらない。
マンツーマン・ディフェンスだけに失点数は多少仕方ないとしても、それに対してゴールはハフィーニャやジャック・ハリソンのみに依存。ともに最前線に張っているわけではなく、サイドから切り込んでゴールを狙わなければならず、効果的とは言い難い。
そうした背景から、守備でも試合終盤まで走り切れ、前線でも脅威になれる日本代表FWに注目したのだろう。ビエルサ監督のもとでプレーする南野拓実の姿も観てみたいものの、関係値が高まってきたリバプールでさらなる活躍も見たい。
今季は18試合に出場し、6ゴールを奪っている。クラブでは通算49試合10ゴール3アシストと徐々に存在感を高めている日本代表FWだが、ユルゲン・クロップ監督からの信頼も厚く、まだ先の話だが、来シーズン以降もリバプールで活躍してくれるはずだ…