昨シーズンの活躍ぶりは誰もが認めるところ。しかし、フィルジル・ファンダイクやジョエル・マティプが確固たるパートナーシップを築き、控えにイブラヒマ・コナテとジョー・ゴメスが在籍しているリバプールにおいて、ナサニエル・フィリプスの出場機会は増えない。
フル出場はわずか一回のみと苦しいシーズンを送る元ボルトンDFも、いまや24歳。若手とは呼べず、中堅選手の領域に入る時期に差し掛かっている。今後のキャリア的にも移籍は不可避であり、昨夏にもバーンリーをはじめ、複数クラブが関心を示していた。
結局は残留したものの、主力組が怪我なく過ごす今シーズンだけに、出番は巡ってこない。『The Mail』によれば、移籍市場も差し迫った月末に、かねてから関心を持っていたニューカッスル・ユナイテッドが、ローン移籍での獲得を目指して、動きを強めている。
700万ポンド(約9.8億円)が提示されたワトフォードからのオファーを断り、PSV(オランダ)はローン移籍を取り付けることが叶わなかった。そんな中、ニューカッスルもローン移籍での獲得を狙っており、契約条項にはプレミアリーグ残留した場合には買取が実行される一項が盛り込まれているようだ。
イングランド北部に位置するクラブは、アトレティコ・マドリードからイングランド代表DFキーラン・トリッピアーやバーンリーからはニュージーランド代表FWクリス・ウッドを次々と獲得。新たなセンターバックとして、セビージャDFジエゴ・カルロスを狙っていたが、交渉はまとまらなかった。
そうした背景から、移籍市場に出ているリバプールDFナサニエル・フィリップスを最後の最後でチームに加えたいと願っている。失点数の多いチームにおいて、高い打点のヘディングと粘り強いディフェンスを持ち味にするセンターバックの加入は貴重なオプションになり得る。
ただし、最終ラインをまとめあげるほどのスキルを持ち合わせておらず、候補に挙がっていたジエゴ・カルロスなどと比較すると、経験の部分でも見劣りは否めない。もしかすると、ここまで43失点を喫しているクラブを劇的に立て直す救世主ではないかもしれない。
それでも、昨シーズンのようなプレーを披露できさえすれば、失点数の減少には貢献してくれるだけの実力を持っており、攻撃面でもあの高さは脅威になる。まだ決まっていないが、エディー・ハウ監督がどのように使うか気になる。
いずれにしても、ユルゲン・クロップ監督は適切なオファーさえ届けば、ナサニエル・フィリップスの進路を邪魔することはないと公言しており、この冬ないしは今年の夏での退団は既定路線。
リバプールのトップチームでは24試合に出場したセンターバックは、この冬に新たなクラブへの移籍を手に入れることはできるのだろうか…?