オランダ代表ジョルジニオ・ワイナルドゥムとの契約延長交渉がまとまらず、昨夏に移籍金なしでパリ・サンジェルマンに加入。後釜を確保できなかったリバプールは、ハーヴェイ・エリオットを中盤にコンバートし、なんとか枚数を揃えた形で昨年の夏を終えた。
カーティス・ジョーンズが台頭し、ナビ・ケイタやアレックス・オックスレイド=チェンバレンらが空いたポジションを奪い合う展開が予想されたが、プレミアリーグ第2戦でスタメンデビューを飾ったエリオットが抜群のパフォーマンスを披露し、いきなり先発の座を手に入れた。
しかし、リーズ・ユナイテッド戦で同選手には悪夢が襲う。大怪我を負った元フラムFWは、長期離脱を余儀なくされた。まもなく復帰が見込まれるものの、完全復調までもう少し時間がかかりそう。ジョーダン・ヘンダーソンやジェームズ・ミルナーも年齢的な衰えを感じさせ、フル稼働は難しい。
チアゴ・アルカンタラもシーズンの大半をベンチ外で過ごしている現状だ。しかし、影響は枚数だけではない。中盤で走り回ったオランダ代表MFの存在を失い、今シーズンは守備への切り替えの遅さやプレッシング強度の低下が目立っている。
攻撃的側面はもちろん、ディフェンスにおいても強みを発揮できる人材を求め、リバプールはイヴ・ビスマ(ブライトン)を筆頭に、様々な選手への関心が報じられている。『BBC』で解説者を務める元トッテナムFWガース・クルックスは持論を展開し、サウサンプトンのキャプテン獲得を強く薦めている。
「リバプールはいつまで(ジェームズ・)ウォード=プラウズ獲得を待つつもりなのか?」
「彼らはジョルジニオ・ワイナルドゥムに契約満了での退団を許し、中盤のエリアで苦悩している。ウォード=プラウズはグルーブみたく、適応するだろう。」
中盤で汗かき役も担えるサウサンプトンMFは、長短のパスで攻撃におけるスイッチを入れつつも、幅広いプレーエリアをカバーできる。デイビッド・ベッカムを彷彿させるフリーキックやコーナーキックの精度の高さはプレミアリーグ随一。
ペナルティーキックも任され、キャプテンマークを巻いており、精神的な支柱にもなっている。熱くチームを鼓舞する姿は、ジョーダン・ヘンダーソンの後釜としてピッタリにも思える。イングランド代表でも9試合に出場しており、世界屈指の飛び道具はカタールW杯における同国代表にも選出される可能性を残す。
ただし、問題は昨年に締結した長期契約。サウサンプトンと2026年まで契約を延長しており、契約満了は32歳前後。豊富な移籍金で引き抜くことができないリバプールだけに、まだ5年以上も契約を残す選手には手が出しづらい。
さらには、すでに27歳と中堅に突入している。より若く、有望なミッドフィルダーがいる中、わざわざジェームズ・ウォード=プラウズに視線を向ける確率は低いだろう。
新たなストライカーとともに、今年の夏の移籍市場で獲得必須の守備的ミッドフィルダー。リバプールは現時点でどのような選手をリストアップし、実際に交渉を取りまとめることができるのだろうか…?