プレミアリーグ5連勝中で好調を維持するアーセナル。そのホームスタジアムに乗り込んで、難しい試合に挑んだリーグ2位リバプール。前節でマンチェスター・シティが引き分けたため、白星を手に入れられれば、勝ち点差わずか “1” に差を縮められることに。
そんな試合は、試合序盤こそリバプールが主導権を握ったが、ホームのアーセナルも徐々に試合をコントロール。前半はアーセナルがゴールに迫るシーンが多い展開だったが、両チームとも決定機はなく、得点のないまま後半戦に突入した。
試合は50分に動きそうになる。チアゴ・アルカンタラのバックパスを拾ったアーセナルFWアレクサンドル・ラカゼットが冷静にマルティン・ウーデゴールにパスすると、シュートを狙うも守護神アリソン・ベッカーの好セーブに阻まれる。
その3分後には、まずいバックパスをしてしまったチアゴが、今後は絶妙なスルーパスを通すと、ディオゴ・ジョッタがボールを持ったままゴール方向に向かう。クロスを意識したアーセナルGKの逆手を取り、ニアにシュートを放つと、GKの手を弾いて先制点を奪取する。
カラバオカップでもエミレーツで2得点を挙げたジョッタのゴールで均衡を破ったリバプールだが、さらにその7分後に2点差にリードを広げる。アンディ・ロバートソンが粘りからボールを維持し、ペナルティ内でドリブルで運んでいくと、ピンポイントパスにロベルト・フィルミーノが反応し、ゴールに流し込んだ。
試合終盤にはアーセナルFWガブリエウ・マルティネッリに決定機が訪れたものの、ゴール内に飛ばすことができずに、そのまま試合終了。好調なチーム相手に、アウェイの地で破り、強さを見せ付けたリバプールは、プレミアリーグで9連勝を記録。
怒涛の勢いで白星を重ねていくリバプールだが、チームを率いるユルゲン・クロップ監督は “俳人” のような言葉でモメンタムの脆さを説明した上で、過密日程が続くシーズンを淡々とこなし、対戦する相手に全力を尽くすだけと強調している。
「 “モメンタム” は地球上で最も儚い花である。」
「誰かがその上を歩いてしまったら、勢いを取り戻すために努力しなければならないし、ただそれを乗り切るだけだ。」
「リズムは良い。ただ、3日や4日おきにプレーするのは、リズムは良いが、肉体的には激しい。それでも、不平不満を言うつもりはないし、すべての大会でプレーしていたい。問題はないが、対戦相手はみなクオリティが高く、みな違うタイプのチームだ。」
「我々は常に移動し、あっちへ行き、こっちに行く。文句を言うつもりはないし、それが私たちだ。朝起きたら違うホテルで、誰かがレストランの場所を教えてくれて、自分の部屋の番号を覚えようとするんだ。」
この勝利で、首位マンチェスター・シティとの勝ち点差はたった “1” まで縮んだ。年末年始には独走状態かと思われたライバルチームに着実に詰め寄っているリバプールだが、クロップ監督はシティではなく、自分達に集中しなければならないとコメントを残している。
「(マンチェスター・)シティのことは本当に全く考えていない。ほんとうに。」
「私たちに残されたチャンスは、恐ろしいほどの試合数で勝利を手に入れないといけないものの、シティも信じられないようなペースで試合に勝ち続けている。」
「過去数年間、私たちはお互いを究極のレベルまで追い詰めてきた。その分、1試合1試合が難しくなる。それでも、激しさに備えなければならない。」
「3日ごとに集中するのは人間として問題ないとは思うが、フィジカル的な問題がその後からやってくる。シティとは直接は戦わない。3、4週間後に対戦するので、その時にちゃんと戦うつもりだ。」
「それを除けば、我々は良い状態で、いいムードで、自らを深く理解するしかないないことも知っている。」