FAカップ準々決勝で、古豪ノッティンガム・フォレストのホームスタジアムに乗り込んだリバプール。実力差から快勝が期待されていた試合だったが、ホームの大歓声に後押しされたノッティンガム・フォレストのイレブンは試合終盤まで集中を欠かさずに、アウェイチームに苦しい時間を与え続けた。
素早い切り替えで、試合の大部分を支配したリバプールだが、粘り強いディフェンスを披露する対戦相手に、ゴールが奪えないまま試合は進む。バックパスを拾ったロベルト・フィルミーノが決定機を迎えたものの、相手GKの好セーブで味方のミスをカバー。
それでも攻め続けるリバプールに対して、人数をかけてカウンターを仕掛けるノッティンガム・フォレスト。なかなか得点の気配が生まれない中、コスタス・ツィミカスの珍しい右足でのクロスに、足を伸ばしたディオゴ・ジョッタがボールをゴールネットに押し込む。
オフサイド疑惑もあったが、VAR判定の末、ギリギリの絶妙なタイミングで抜け出しており、ゴールが認められた。78分に先制点を奪ったリバプールだが、試合終盤には同点弾を狙うホームチームの猛攻に晒されたが、なんとか耐えて準決勝進出が決定。
次なる対戦相手は、プレミアリーグでも首位争いを繰り広げるマンチェスター・シティ。これにより、4月11日にプレミアリーグで同クラブと対戦し、CLベンフィカ戦を挟んで、その5日後にはふたたびシティと対峙することに。
ベンフィカ、シティ、ベンフィカ、シティとほぼ毎週のようにマンチェスター・シティと対決することになったスケジュールについて、ユルゲン・クロップ監督は好ましくないと吐露しつつも、大会で勝ち上がれば仕方ないとも語っている。
「(マンチェスター・)シティはあまり好きではないだろうし、我々はあまり好きではない。」
「しかし、終わりに近づけば近づくほど、シティと対戦する可能性は高くなる。もし、もっと早い段階で対戦しなければ、準決勝や決勝で対戦することになるだろう。」
「おかしなことではない。チェルシーも同じだよ。彼らも本当に強いので、毎週対戦したいとは思わないでしょう。」
「私たちと対戦することが純粋な喜びだとは思わないし、それを忘れてはいけない。」
「今では、どのカップ戦でも先に進めば進むほど、一度はシティと対戦する可能性が高くなり、彼らも一度は我々と対戦することになる。私たちが誰にとっても夢のような抽選結果だとは思わないが、厳しい戦いになるだろうし、シティにとっても厳しい戦いになるはずだ。」
「それまでにベンフィカ、シティ、ベンフィカ(再び)、シティ(再び)、マンチェスター・ユナイテッド、エバートンと、たくさんの試合がある。」
4冠の可能性を残すリバプールにとって、シーズン終盤での強豪との過密日程は避けられない。試合内容が良くなくても、勝ち続けるその勝負強さがふたたび戻ってきたリバプール。最終盤に迎えて、すべての試合に勝ち、偉大な記録を打ち立ててくれると信じたい…