昨シーズンはトップチームのディフェンダー陣が相次いで長期離脱し、ファビーニョやジョーダン・ヘンダーソンすらセンターバックを務めなければならないほどに緊急事態に追い込まれたリバプールにおいて、純然たるセンターバックとして多くの試合で穴を埋めたのが、イングランド人DFナサニエル・フィリップス。
今季はフィルジル・ファンダイクやジョー・ゴメス、ジョエル・マティプら主力組が揃って復帰し、さらにはRBライプツィヒから元フランスU-21代表DFイブラヒマ・コナテを獲得。ろくに試合にすら出れない日々が始まり、唯一のスタメン出場はなかば消化試合となったCLグループステージ最終節ACミラン戦のみ。
すでに25歳と中堅の域に入っているセンターバックだけに、プレー時間確保は必要不可欠。この冬には完全移籍の可能性が高まったものの、適切なオファーが届かずに、最終的にはレンタル移籍でチャンピオンシップで戦うAFCボーンマスに加入を果たした。
念願のレギュラーを掴んだ同ディフェンダーは、加入直後からスタメンに定着。ストーク・シティ戦のみベンチ外だったが、それ以外の試合では先発出場を飾っており、チームを率いるスコット・パーカー監督からの信頼も厚い。
同クラブは来季のプレミアリーグを懸けて、チャンピオンシップで自動昇格圏内の2位に付けている。3位のルートン・タウンには2試合消化が少ない現時点で勝ち点差 “6” と開きがあり、昇格に限りなく近付きつつある。
来シーズンはトップリーグで戦うかもしれないボーンマスは、レンタル中のDFナサニエル・フィリップスの完全移籍への移行に関心を示しており、リバプールも売却を拒否するつもりはないと、リチャード・ガーネット氏(Liverpool Echo)が伝えている。
ただし、リバプールは割安な移籍金での放出は認めないとし、それなりの金額でのオファーを提示する必要があるとも報じている。具体的な金額こそ明記はないものの、昇格した暁にはそれなりの資金を投じると思われ、ボーンマスに完全移籍する可能性は高いだろう。
ナサニエル・フィリップスが加入以来、8試合で5勝2引き分けと見事な結果を残しており、重要な役割を担っているのは確実。いまやボーンマスに欠かせない選手となった同センターバックは、念願の完全移籍を手に入れることになるだろうか…?