トレント・アレクサンダー=アーノルドとポジションを争うのは至難の業。ディフェンダーながら、毎シーズンのように二桁アシストを達成し、多彩なボールキックでチャンスを演出する。フィジカル面でも大幅に上昇し、以前よりは課題の守備面も改善傾向だ。
となれば、バックアップにとっては出場機会はさらに減少してしまう。度々ディフェンス時の対応で批判に晒されてきたウェールズ代表DFネコ・ウィリアムズは、まさにイングランド代表DFの高すぎる壁に跳ね返され続けた選手だ。
怪我の影響もあり、今シーズンはプレミアリーグではワトフォード戦での7分間のプレーのみ。カラバオカップやチャンピオンズリーグではスタメン出場も果たしたが、相手のレベルが低い、もしくは大局がすでに決着が着いた段階でのプレーも多く、満足のいく日々を過ごせてはいなかった。
それが、フラムへのレンタル移籍が180度見える世界が変わっている。加入直後の試合からスタメンに定着し、ここまで全試合で先発出場を果たしている。右サイドバックとして確固たる地位を手に入れた同ディフェンダーは、今後のキャリアを考え始めているようだ。
『Football Insider』によれば、ウェールズ代表ディフェンダーは契約を結ぶリバプールに対して、フラムへの完全移籍を希望する旨を伝える予定。来シーズン以降も、充分すぎるほどのプレー時間を確保できているクレイヴン・コテージに残留を熱望している。
チャンピオンシップでは首位を維持しており、残り試合数を考えると、来季のプレミアリーグ昇格が現実味を帯びきてきたフラムにおいて、来季の戦力を整えるためにも、プレミアリーグでも経験を持つ同ディフェンダーは今季同様に貴重な戦力になり得る。
昨年の夏から退団の可能性が報じられており、この冬の移籍市場でも売却先を探っていたと言われているだけに、リバプールが完全移籍をブロックするとは思わない。残るはフラムが要求額を支払えるかどうかにかかっているが、プロモーションで戦力強化が必須なクラブにとって、また先行投資の意味合いで、移籍金で合意する可能性は高い。
加えて、プレミアリーグで戦うことで、チャンピオンシップとは桁違いの収入アップとなる。リバプールの評価額も法外な値付けをするとは思えずに、フラムがその気になれば支払いには問題ないだろう。
自身のキャリアを形成していくためにも、レギュラーでの経験値を積み重ねることが大切。はたして、ウェールズ代表サイドバックは、来季もフラムのユニフォームで、しかもリバプールではなく、フラムとの契約を結ぶ流れになるのだろうか…?