モハメド・サラー、サディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノ、ディオゴ・ジョッタ、ルイス・ディアスと世界を見渡しても揃わないほどの、実力派フォワード陣を擁するリバプール。さらには、南野拓実やハーヴェイ・エリオット、アレックス・オックスレイド=チェンバレン、ディボク・オリギらが控えている。
プレミアリーグ得点ランキングでも上位を占めるリバプール攻撃陣は、すでに盤石の体制を築いているようにも思えるが、同クラブは世代交代に向けた動きを止めていない。ジャロッド・ボーウェン(ウェストハム)やハフィーニャ(リーズ・ユナイテッド)らが筆頭候補として頻繁に報じられている。
『The Athletic』でサッカー特派員を務めるデイビッド・オーンスタイン氏によれば、リバプールはかねてから関心を寄せるPSVアイントホーフェン所属のオランダ代表FWコーディ・ガクポ獲得に向けて、その動きを本格化しているようだ。
他にもアーセナルやバルセロナ、バイエルン・ミュンヘンらが関心を示している中、PSVアイントホーフェンは適切なオファーさえ届けば、今年1月に契約延長を結んだオランダ代表フォワードの売却も見込んでおり、今夏の移籍市場での退団も現実味を帯びていきている。
22際になり、キャプテンを務めることも多い同フォワードは、今季国内リーグでは20試合8ゴール13アシストを記録しており、まさに中心的な役割を担っている。左ウイングを主戦場に、センターフォワードや右ウイングでもプレー可能で、高い得点力や高い身長など魅力的な要素を多く兼ね備えている。
なお、オーンスタイン氏は移籍金のレンジを3500万ユーロ(約45.5億円)から5000万ユーロ(約65億円)と伝えている。22歳とまだ若く、PSVアイントホーフェンで通算125試合37ゴール33アシストと立派な数字を残しているだけに、決して法外な金額とは言えないだろう。
ジャロッド・ボーウェンやハフィーニャに関して、同じくプレミアリーグと言うこともあり、5000万ユーロ(約65億円)を超える金額を要求される可能性も高く、移籍金額も含めてもコーディ・ガクポへの関心はリーズナブルなように思える。
ただし、ポジションがルイス・ディアスと丸かぶり。ディオゴ・ジョッタも左で輝くシーンが多く、サディオ・マネも含めて左ウイングが混雑している。ジョッタやマネがセンターでも通用することを考えても、優先すべきは右ウイング。
ハーヴェイ・エリオットが未来のレギュラーとして控えるものの、中盤での起用も多く、プレミアリーグで実績を積んでいる左利きのウィンガーは必要なピースだ。モハメド・サラーの後継者育成の意味合いでも、早めに獲得して、チームに馴染ませるのもひとつの手である。
ポジション的には被る選手が多いため、チーム全体のバランス観点では疑問符が残る。それでも、ポテンシャルは誰しもが認めるところ。はたして、リバプールは今年の夏にも新たなウィンガー獲得を成立させるのだろうか…?