マインツからリバプールに加わったドイツ人GKロリス・カリウスは、加入初年度の2016年から、正GKを務めていたベルギー代表GKシモン・ミニュレとポジション争いを繰り広げ、翌シーズンの後半戦からクラブでNo.1ゴールキーパーとして、徐々に試合数を増やしていった。
そんな2シーズン目において、リバプールはチャンピオンズリーグで決勝に進出。レアル・マドリード相手に、前半でエースのモハメド・サラーを負傷で欠く苦しい展開の中、元マインツGKにとっては忘れたくても忘れられないミスを犯してしまう。
ボールを保持し、なんでもない場面。手でボールを味方にパスしようとしたボールを、フランス代表FWカリム・ベンゼマに掻っ攫われて、まさかの展開から先制点を献上。さらには、ウェールズ代表FWガレス・ベイルのロングシュートにまずい対応を見せ、3失点目を喫してしまった。
この大舞台での失態で涙を流した同ゴールキーパー。翌シーズンには、ASローマから世界的なGKであるアリソン・ベッカーを獲得したリバプール。居場所を失ったロリス・カリウスは、ベシクタシュJKへレンタル移籍。約2年間に渡り活躍を見せたものの、サラリーの未払いなどで契約解消。
トルコを去った同選手は、リバプールに復帰。チーム内でのヒエラルキーは低く、ウニオン・ベルリン(ドイツ)に、1シーズンのローン移籍が決定。ただし、定位置確保には至らず、出場数は数える限りで、今シーズンはふたたびリバプールに戻ってきた。
移籍先を探ったリバプールだったが、関心を示すクラブもあったと言われる中、移籍金などの条件面で合意できずに、今季はリバプール残留。10代のゴールキーパーらにも序列で負けており、試合出場どころか、ベンチ入りすらできない状況が続いている。
今夏には同クラブと契約満了。フリーで移籍が叶い、クラブの意向を無視して好きなクラブと契約できる。昨夏には興味を示していたとされるバーゼル(スイス)がふたたび関心を抱く可能性を残す一方で、元ドイツ代表GKティム・ヴィーゼは古巣クラブを推薦している。
「トップリーグでは、ヴェルダー・ブレーメンはベテランのキーパーを探さなければならないだろう。」
「私から見て、ロリス・カリウスはヴェルダー・ブレーメンにとって候補のひとりだ。」
「彼はフリートランスファーで、長い間プレーしていない。でも、マインツでは実力を見せ付けていた。」
「そうでなければ、リバプールは彼と契約しなかったはずさ。」
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かつて、カイザースラウテルンやブレーメンで活躍した同ゴールキーパーは、ドイツ代表でも6試合でゴールマウスを守った経験を持つ。引退後にはプロレスラーに転身した異色なサッカー選手だが、代表に招集されるほどの実力はホンモノ。
そんな経験豊富な元ドイツ代表GKは、現クラブで苦戦を強いられている同郷のゴールキーパーにアドバイスを送った。ヴェルダー・ブレーメンは現時点で2部リーグの3位に付けており、来季の昇格を目指して戦っている。