ウェンブリーで行われたFAカップ準決勝、リバプール対マンチェスター・シティは意外すぎる前半戦となった。コーナーキックの流れから、DFイブラヒマ・コナテが打点の高いヘディングを叩き込み、試合開始早々に先制することに成功。
その後も激しいプレッシングを仕掛けるリバプールに、ベストメンバーではないマンチェスター・シティはパス回しに苦労し、なかなかボールを前に運べない。前半17分には、エデルソンに代わり先発したGKザック・ステッフェンが、サディオ・マネの猛チャージに気付かなかったのか、ボールを保持しようとし、スライディングで飛び込んだ同選手にゴールネットに押し込まれる大失態。
幸先良く2点をリードしたリバプールは、前半終盤にも相手ゴールエリア付近で巧みなパスワークから、右足のアウトサイドに引っ掛けたサディオ・マネのシュートがゴールに吸い込まれ、安全圏とも言える3点をリードし、試合は後半に。
セカンドハーフを立て直したシティが、開始直後に1点を返し、反撃の狼煙をあげた。しかし、しっかりとボールを回し、リズムを取り戻したリバプールはそれ以降ゴールを許さずに、逆にリードを広げられる場面も多く作った。
ただし、試合はそのまま終盤に向かい、90分にマンチェスター・シティが1点差に詰め寄るも時すでに遅し。最後まで集中し続けたリバプールが、依然として4冠の可能性を残し、FAカップ決勝に駒を進めた。
この試合では、シティが第2GKを起用する一方で、リバプールはアリソンを起用。他にもローテーションを多用したシティに対して、クロップ監督はコナテやケイタを入れ替えたくらいで、プレミアリーグでのシティ戦から大きくは代えずに試合に臨んだ。
元イングランド代表FWアラン・シアラーによれば、この判断が勝負を分けた部分であり、とくにGKのレベルの違いが試合の行方を分けたと主張しており、1対1でも好セーブを披露したブラジル代表ゴールキーパーを絶賛している。
「リバプールは確かに1点をプレゼントされ、他の2ゴールについても(マンチェスター・シティの)GKはもっとうまくやるべきだったと思う。」
「ユルゲン・クロップ監督は間違いなくナンバーワンGKを起用し、チーム選択における決断が勝利につながった。マンチェスター・シティはそうせず、結果的にはGKのミスにより、大きな犠牲を払うことになった。」
「アリソン(・ベッカー)は後半、2つの好セーブを見せた。1つは、ガブリエウ・ジェズスとの1対1で、素晴らしいものだった。GKの差が違いを生んだね。」