FAカップは大幅なターンオーバーを採用したマンチェスター・シティと対照的に、ローテーションを最小限に留めたリバプールとの間で実力差が明らかになる展開となった。試合開始直後からアグレッシブにプレスをかけ続けたリバプールは、マンチェスター・シティに自由を与えず、パスミスを誘い続ける。
コーナーキックの流れから、”進撃の巨人” イブラヒマ・コナテが高すぎる打点からゴールを奪い、ベンフィカ戦に続き2戦連発でゴールを揺らした。2点目は、シティの第2GKの油断を突き、サディオ・マネのスライディングでゴールを陥れた。
前半終盤には、試合を決定づける3点目がサディオ・マネから生まれ、後半も得点を重ね続けると思われた。しかし、立て直したマンチェスター・シティが後半開始直後に1点を奪うと、リバプールもプレスよりもコントールに重きを置いたことで、ゴールレスな展開が続く。
試合90分にマンチェスター・シティが1点差に詰め寄るも、時間が少なく、リバプールがFAカップ決勝進出を果たした。相手が主力メンバーを怪我で欠いたり、温存してきたこともあり前半から圧倒したリバプールだが、試合前にはチームとしての目標が掲げられていたようだ。
それを明かしたのは、試合中もブラジル代表FWガブリエウ・ジェズスとの1対1を制し、なんとか1点差勝利に貢献した同じくブラジル代表GKアリソン・ベッカー。クリーンシートこそ逃したものの、ファイナル進出に満足しており、目標も達成できたと語っている。
「今日の目標は、前回の試合よりもパフォーマンスを向上させることだったけど、それを実現することができた。試合の最初の瞬間から、ずっと自信に満ち溢れていた。」
「時にはすべての状況をコントロールでき、素晴らしいチャンスを作り、それらのチャンスをものにすることができた。3ゴールを決めるということは、非常に気持ちの良いことで、この試合で掲げた目標はすべて達成できたと思う。」
「サッカーするにも、準決勝を戦うにも素晴らしい日だった。ウェンブリーでマンチェスター・シティという偉大な相手と対戦し、準決勝に求められるものはすべて揃っていたし、勝利することができて、最高の気分だよ。」
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いまだに4冠の可能性を残すリバプール。ネームバリューだけで言えば、最大の難敵を破ったリバプールはプレミアリーグでふたたび負けられない日々を過ごすことになる。チャンピオンズリーグでも難敵ビジャレアルとの対戦も控え、まだ気が休まらない。
それでも、かつての勝負強さが戻ってきたリバプール。毎試合のように好セーブを見せるブラジル代表守護神を筆頭に、悪い流れの試合でも勝ち切る強さを見せ始めており、チーム状況は登り調子。このままの勢いで、奇跡の4冠達成の瞬間まで応援し続けたい…