昨シーズンはセンターバックに負傷者が相次いだリバプールのディフェンスを支え、闘志溢れるプレーに加え、空中線での抜群の強さで相手の攻撃を弾き返し続けた。今季は元フランスU-21代表DFイブラヒマ・コナテ加入もあり、シーズン前半を5番手センターバックとして、ほとんどをベンチ外で過ごした。
2016年の夏にボルトンからリバプールに加わり、シュトゥットガルトでのレンタル期間も経て、すでに25歳とサッカー選手として絶頂期を迎え始めている同センターバックは、この冬に出場機会を求めて、ボーンマスに半年間のレンタルで加入していた。
完全移籍も取り沙汰された中、リバプールが求める移籍金を支払うクラブはなく、ローン移籍に落ち着いていた。スコット・パーカー監督率いるボーンマスでは、加入直後からレギュラーに定着。後半戦だけでも17試合に出場を果たし、守備陣を引っ張った。
同クラブも少しずつ順位を上げ続け、最終的には首位フラムFCに次ぐ、2位でシーズンを終え、来季のプレミアリーグ昇格の切符を手に入れた。フラムにレンタルしたウェールズ代表DFネコ・ウィリアムズ同様に、今季の後半戦を過ごしたクラブへの完全移籍が報じられる中、リバプールの希望金額が判明した。
『The Liverpool Echo』によれば、リバプールは元ボルトンDF獲得を目指すボーンマスに対して、移籍金として1500万ポンド(約21億円)の支払いを求めている。ユルゲン・クロップ監督含めて首脳陣は放出に前向きで、ボーンマスを筆頭に売却先を探し出さなければならない。
リバプールは複数クラブからの関心を予想しており、チャンピオンシップでふたたび価値を示したナサニエル・フィリップを巡る争奪戦が繰り広げられそうだ。
来シーズンに向けて、プレミアリーグを戦い抜くためにも、トップリーグでもプレー経験のある同ディフェンダーは理想的な補強になり得る。半年間と言えど、チームの雰囲気やスコット・パーカー監督の方針を理解しており、最優先になることは間違いないだろう。
現在のクラブに残留したとしても、フィルジル・ファンダイクやジョエル・マティプ、ジョー・ゴメス、イブラヒマ・コナテらの壁は厚く、レギュラーポジション確保は絶望的。25歳と飛躍的な成長も見込まれないことからも、少し値引きしたとしても売却は既定路線と言える。
問題は、どのクラブに完全移籍を果たすか。現時点ではボーンマスが争奪戦をリードしているようにも思えるが、同クラブは満額支払いを決断できるかが鍵になる。はたして、ナット・フィリップスは来季どこで活躍しているのだろうか…?