2015年に就任以来、最高のシーズンを過ごしたユルゲン・クロップ監督。カラバオカップを制覇し、FAカップも制覇し、国内リーグで2冠を達成。プレミアリーグでは最後の最後まで優勝を争い、世界でも最も競争力の高いリーグを2位でフィニッシュ。
レアル・マドリードとのチャンピオンズリーグ決勝は、スタジアム運営でゴタゴタがあり、試合開始が遅れ、試合前からサポーターたちが翻弄された。厳重な警備を前に声援を送ったファンたちだが、リバプールは試合を支配しながらも得点を奪えず、ブラジル代表FWヴィニシウスの1点に泣いた。
最終盤にはさすがに疲れが出たのか、本来のパフォーマンスを出せなかったリバプール。4冠のチャンスもあっただけに、最後は残念な結果に終わったものの、3つの大会でファイナルに進出し、リーグタイトルも争ったシーズンは、素晴らしいの一言に尽きる。
CL決勝の翌日には、カラバオカップとFAカップ優勝を祝うパレードが開催された。リバプールに舞い戻った選手たちとコーチ陣がバスに乗り、カラバオ街中を練り歩き、周りには詰めかけたサポーターが包囲し、最高すぎる雰囲気の中でパレードを進んでいく。
お祭りムードの中でインタビューに応じたユルゲン・クロップ監督は、今シーズンを “信じられないシーズン” と評し、選手やコーチ、そしてファンたちを労った。パリのスタジアムで行った運営側の不手際にも触れつつ、リバプールを愛する人々の愛を再認識した。
「信じられないようなシーズンだ。」
「選手たちが成し遂げたことは凄まじく、コーチ陣が達成したことも素晴らしい。私たちが維持した集中力やレベルも信じられないほど。すべて順調だ。これで休みに入れるよ!」
「人生を祝い、シーズンを祝い、大会を祝い、優勝を祝う。」
「選手たちを誇りに思うが、正直なところ、この人たち(ファンたち)も誇りに思う。素晴らしいよ。昨日(CL決勝)はスタジアムで誰も理解できないようなことが起こり、家族がトラブルに巻き込まれたりした。」
「今、私たちはここに来て、このような光景を目の当たりにして、信じられない思いだ。勝つ必要はない。ただ、自分の持っている力をすべて出し切り、ピッチですべてを表現すれば、リバプールの人たちはあなたを愛してくれる。」
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ハードなシーズンを終え、これから休暇に入る。代表に選出されている選手たちは、まだ休みに入っていないが、プレシーズンキャンプまではゆっくり過ごすことになる。フロント側は選手との契約更新や移籍を進めなければならず、むしろ忙しい期間に突入する。
サディオ・マネやジェームズ・ミルナー、南野拓実、アレックス・オックスレイド=チェンバレンら退団濃厚、もしくは契約更新が済んでいない選手たちは交渉に取り掛からねばならず、休暇期間も頭や精神は休まらないかもしれない。
いずれにしても、過去最高とも言えるシーズンを過ごしたリバプール。まずは、今季の成功に浸りつつも、来季に向けて戦力アップを進めることに。来シーズンこそプレミアリーグを奪還し、チャンピオンズリーグでふたたび決勝に進出してくれることだろう…