チャンピオンズリーグ決勝でレアル・マドリードに敗れ、精神的ダメージを負ったリバプールには、さらなるショックが待ち受けていた。サウサンプトンから加入以来、フロントスリーの一角を担い、数々の得点を奪ってきたセネガル代表FWサディオ・マネが、2023年の契約満了を前に、今夏限りでの退団を希望している。
資金力に自信のあるパリ・サンジェルマンらが関心を寄せる中、バイエルン・ミュンヘンがリバプールFW獲得に迫っている。すでに選手とは3年契約で半ば合意しており、両クラブは移籍成立に向けて、話し合いを続けている。
バイエルンからの初回オファーは、ボーナス含めて2500万ポンド(約35億円)。リバプールは4250万ポンド(約59.5億円)前後に遠く及ばず、交渉にあたっているジュリアン・ウォード新SD(スポティング・ディレクター)は、そのオファーを突っぱねている。
『The Times』によれば、ドイツ王者は前回のオファーを改善し、2度目のオファーを提示。しかし、その条件は決して満足いくものではなく、むしろリバプールを怒らせるほどの愚かすぎるオファーの内容が暴露されている。
移籍金の提示額は、初回オファーよりも250万ポンド(約3.5億円)プラスして、2350万ポンド(約32.9億円)。条件を達成した際に支払われる追加分は、同じく250万ポンド(約3.5億円)を上乗せした650万ポンド(約9.1億円)。総額3000万ポンド(約42億円)に金額をアップさせた。
問題となったのは、追加支払分。その達成条件として記載されていたのが、3年契約を結ぶ見込みのサディオ・マネがプレーしている期間で3年連続でチャンピンズリーグを優勝し、さらにバロンドールを3年連続で受賞するというもの。
明らかに達成不可能な条件で、実質的には2350万ポンド(約32.9億円)のオファーに対して、リバプールも流石に激怒。ジュリアン・ウォードSDは、適切なオファーを提示しない限りは、今後対面での交渉を見送ると通達したようだ。
バイエルン・ミュンヘンは一方で、退団を猛烈に要求しているポーランド代表FWロベルト・レバンドフスキの売却に際して、4250万ポンド(約59.5億円)とリバプールが要求する金額とほぼ同額を要求するとされ、ドイツ王者の姿勢は交渉相手をバカにしていると思われてもおかしくない。
サディオ・マネも、ロベルト・レバンドフスキも共に2023年まで契約を残しており、ポーランド代表FWの得点力を含んでも、セネガル代表FWよりも3歳年上である事実を排除することはできず、最低でも同じくらいの金額を提示すべきだろう。
これで交渉が頓挫するとは思えず、引き続き両クラブ間での交渉は続く。リバプールも決して折れることはないため、話し合いは難航すると予想される。はたして、セネガル代表のエースは、希望通り、バイエルン移籍を手に入れることができるのだろうか…?