アヤックス時代に、フレンキー・デ・ヨング(現バルセロナ)らとチャンピオンズリーグで大躍進。準決勝でトッテナム・ホットスパーに劇的な敗戦を喫したものの、キャプテンとして、またセンターバックとして高い能力を買われ、セリエAの強豪ユベントス移籍を果たした。
オランダ代表でもリバプールDFフィルジル・ファンダイクの後継者に目されるユベントスDFには、アヤックスで指揮を執り、来季からマンチェスター・ユナイテッドを率いることになったエリック・テン・ハーグ監督が強い興味を抱いている。
新たなクラブが持つ潤沢な資金力と、高い給与体系をバックアップに、オランダ時代の栄光をともにしたセンターバックを、オールドトラフォードに迎えたい意向を示している。さらには、フレンキー・デ・ヨングにも触手を伸ばしていると言われ、財政難に苦しむバルセロナの対応に注目が集まる。
ただし、そんな補強も一筋縄には行かないかもしれない。『CalcioMercato』によれば、プレミアリーグで格上のリバプールも関心を寄せており、オランダ代表センターバック獲得に向けて具体的に動き出しているようだ。
フィルジル・ファンダイクとジョエル・マティプがともに30歳を超え、ジョー・ゴメスには退団の噂が付き纏う現状だけに、将来に向けた投資は必須だ。それでも、ファンダイクとマティプがいきなり老け込む可能性は低く、ゴメスとも契約更新をオファーするとの報道も出ており、今夏のタイミングで、少なくとも完全移籍で手放す確率は次第に低下している。
そうした背景を踏まえると、争奪戦の末に移籍金が吊り上げられそうなユベントスDFを補強するのは現実的ではない。資金面において、さらには優先すべきポジションの観点からも、センターバックに対して巨額の資金を投じる未来は見えない。
投資すべきポジションは、ファビーニョの控えがいない守備的ミッドフィルダーであり、主力選手たちとの契約延長交渉が難航し、退団が確定しているディボク・オリギやベンチ外が多くなっている南野拓実もそれに続く可能性のあるフォワード陣だろう。
逆に、マンチェスター・ユナイテッドが豊富な資金を盾に、ユベントスから強奪を試みる未来は容易に想像できる。ラファエル・ヴァランを獲得してもなお不安定な守備陣を大幅に入れ替えることも考えられ、その中心として若いマタイス・デ・リフトは打ってつけの人材と言える。
はたして、オランダ代表の将来を担う若きディフェンダーは、プレミアリーグ初チャレンジに踏み切るのだろうか…?