昨シーズンはオランダ代表DFフィルジル・ファンダイクやイングランド代表DFジョー・ゴメスが長期離脱。ディフェンスリーダーの役割を期待された元カメルーン代表DFジョエル・マティプも負傷してしまい、センターバック陣が緊急事態に陥ったリバプール。
中盤が本職のファビーニョやジョーダン・ヘンダーソン、さらにはナサニエル・フィリップスやリース・ウィリアムズら若手に頼らざるを得ず、その冬の移籍市場ではシャルケからトルコ代表DFオザン・カバクを緊急補強し、総力戦でプレミアリーグ3位を死守した。
しかし、今季は主力センターバック陣が怪我なく、シーズンを通して安定的なパフォーマンスを披露。新加入イブラヒマ・コナテが順調に成長し続け、ジョー・ゴメスも少しずつ復調する中で、ジョエル・マティプの活躍ぶりは喜ばしい想定外だった。
これまではシーズンの途中で、数週間に及ぶ負傷離脱を繰り返すことで有名でもあった同ディフェンダーだが、今季は全く怪我をしない。開幕からフィルジル・ファンダイクのパートナーを任され、イングランドでも最高峰のプレーで起用に応え続けている。
完全復調の元カメルーン代表DFは、『Emirates FA Cup』とのインタビューにおいて、”チーム内で誰が一番面白いか?” という質問に対して、レフトサイドバックのふたりが1位を争っていると、明かしている。
「それは左サイドバックの戦いだと思う。コスタス・ツィミカスとアンディ・ロバートソンは2人とも陽気で口が達者で、恥ずかしがらずにしゃべるんだよ!」
ともに、誰にでもしゃべりかけ、物怖じしない性格。よく喋ることでも知られており、リバプールのチーム内でも1位2位を争うほどの “おしゃべりさん” たちだ。クラブ公式動画でも、茶目っ気たっぷりにふざける姿も度々映っており、納得の選出と言えるだろう。
一方で、ジョエル・マティプはシャイボーイだ。あまりメディアに出ることを好まずに、公開されている動画内ではフィルジル・ファンダイクに揶揄われるシーンくらいしか観ることができない。
ただし、『DAZN』でかつてのチームメイトである元日本代表DF内田篤人との再会には、喜びを隠しきれずに、通常であればほぼ見られない笑顔満点でしゃべり倒す元シャルケDFの姿を拝めるため、サポーターにとっては必見の番組だ。
シャルケからフリーで獲得しただけに、最高の買い物となっているジョエル・マティプ。コーナーキックなどでは、打点の高いヘディングで競り勝つことも多く、脅威になっており、レアル・マドリードとのチャンピオンズリーグ決勝でも強力攻撃陣を完封しつつも、1得点を挙げてくれることを期待してやまない…