アフリカネイションズカップでエジプト代表FWモハメド・サラーやセネガル代表FWサディオ・マネが離脱していた期間には、若い頃から慣れ親しんだウイングで結果を残した。しかし、中盤ならびにウイングでスタメンの座を奪いきれず、カーティス・ジョーンズやハーヴェイ・エリオットら若手にも序列で先を越された。
アーセナルからリバプールに加入した初年度こそ希望していた中盤で印象的なパフォーマンスを披露したが、度重なる負傷に加えて、チアゴ・アルカンタラら選手の加入や若手の成長によって、序列は下がる一方だ。
今シーズン後半戦は、日本代表FW南野拓実らとともにベンチ外で過ごす試合も多く、今夏の移籍市場での退団は濃厚に思われていた。ウェストハムやアストン・ヴィラらプレミアリーグの中堅クラブが関心を示す中、リバプールが心変わりをしたようだ。
『The Mirror』によれば、ディボク・オリギが契約満了でACミラン移籍に加えて、南野拓実の退団が近づいており、ウイングでもプレーできる元イングランド代表MFをもう1シーズン残留させる方向に傾いている。それに今夏でのさらなる補強の目処がなく、新たなミッドフィルダー獲得が来年に持ち越されることからも、万が一に備えた決断が下される可能性がある。
2023年まで契約を結ぶ同選手だが、来シーズンもプレー時間が担保されるとは言い難い。同じく2023年まで契約を残すギニア代表MFナビ・ケイタとは契約更新について話し合いがなされており、ポルトガルU-21代表MFファビオ・カルヴァーリョも加入する。
飽和状態とも言えるミッドフィルダー陣容だが、ジョーダン・ヘンダーソンやジェームズ・ミルナーは年齢からフル稼働は難しく、若手に頼り切るのも時期尚早。クラブや代表でも経験豊富なアレックス・オックスレイド=チェンバレンは、心強いバックアップになることは間違いない。
しかし、現状の扱いで契約を更新するわけもなく、残留したとしても2023年の夏にフリーで退団する流れになるだろう。リバプールでは通算132試合17ゴール15アシストを記録している同ミッドフィルダーは、まだまだカタールW杯出場への道は残っており、半年間で爆発的なプレイーぶりを披露できれば、代表入りも可能性こそ少ないが全くないわけではない。
選手側の気持ちになれば、当然レギュラーとしてプレーできるクラブへの移籍が本望。中堅クラブ以下であれば十分に活躍できる能力は依然として有しており、ドリブルや強烈なシュートなど特性を活かせるスタイルのチームに加わることができれば、願ったり叶ったり。
はたして、昨年には子供が誕生し、この夏休みではパートナーとの婚約を結び、守るべきものが増えた元イングランド代表ミッドフィルダー、またリバプールはどのような決断を下すのだろうか…?