新シーズンからは5人交代制が導入されるプレミアリーグ。交代のタイミングは、ハーフタイムを除いて、1試合3度と制限はかかっているが、選手のコンディションを維持するためにも、適切なルール変更が実施された。
中でも、強豪クラブは年々試合数が多くなる国際試合に選手を貸し出さなければならない。夏休みすら簡単に取れない状況が続き、疲労は溜まる一方。シーズン前半に調子を落とす選手もいれば、負傷してしまうプレーヤーも多い。
各国リーグでは、新型コロナが蔓延する中で5人交代制が導入されたが、プレミアリーグでは中位から下位クラブからの猛反発を受け、導入が遅れていた。リバプールを率いるユルゲン・クロップ監督は、たびたび5人交代制やプレミアリーグの過密日程に苦言を呈してきた。
そんなドイツ人指揮官に、昨季降格争いに巻き込まれ、今夏は財政を安定させるためにも主力放出が免れないエバートンMFアンドロス・タウンゼントが噛み付いた。メディアを通じて、不満を言い続け、結果的に望むことを手に入れた同監督への恨み節が炸裂している。
「ユルゲン・クロップが自分の道を突き通すために、手段を見つけるのが好きだ。彼は何年もうめき続けている。」
「彼らは先送りにされていたが、最終的には5人の途中交代枠を与えられた。」
「彼はおそらく、大事な試合では今と変わらず、2〜3人を使うだろう。リバプール対マンチェスター・シティのような大一番では、彼らは1人か2人のサブしか使わない。4人を使うことはない。」
「(途中交代枠が潤沢じゃないチームにいる中)よりフレッシュでゲームを変えられるワールドクラスの国際的な選手を5人起用しても良い…それは不公平になり得る。」
「(プレミアリーグにおけるユルゲン・クロップ監督の揺さぶりを)多く取り除いてもらいたい。昨シーズンも、その前のシーズンも、執拗に主張し続けた。何度も投票を行わせて、いきなり5人の途中交代枠を発表したんだ。」
「昨シーズンも、スケジュールについて文句を言い、他にもあれこれと文句を言い続けた。すると突然、『BT Sport』だったと思うが、土曜日の夕方に試合が組まれた。このような文句は、彼が望むものを与えるようプレッシャーを与え、彼は何度も望むものを手に入れたんだ。」
HITC
確かに、クロップ監督は何度もルール変更を訴え続けてきた。その矛先は、プレミアリーグだけじゃなく、UEFAやFIFAにも向けられている。ネーションズリーグの発足や国際親善試合数の増加など、世界の強豪クラブの選手たちの負担が増し続ける中で、選手を守るための発言は正当だ。
ただし、元クリスタル・パレスMFの今回の発言は逆恨みにも近い。昨季はチャンピオンシップも近付いていただけに、順調に希望することを手に入れ続けるライバルチームが羨ましいのだろうとも思ってしまう。
中堅クラブ以下は、今回のルール変更で割を食うかもしれない。しかし、代表に選ばれている選手も少ないため、一概にどちらが有利になるとは言えない。アンドロス・タウンゼントには、エバートンでのプレーに集中し、決まったフォーマットで何ができるかを考えてもらいたいものだ…