ドイツ人指揮官よりも早く、2012年にサンダーランドからリバプールに加わったイングランド代表MFジョーダン・ヘンダーソン。20歳と若く、加入当初は大きなインパクトを残せずに、一時は放出候補に挙げられる苦悩の日々を過ごした。
しかし、ユルゲン・クロップ監督の就任でサッカー人生が好転。無類のキャプテンシーを発揮しつつも、ゲーゲンプレスを基本戦術にするクロップ・サッカーで、持ち前のスタミナとプレッシングで試合終盤まで相手選手を追い回した。
右足からのパスも評価に値し、長短のパスは正確無比。近年は年齢を重ね、負傷が多くなっているものの、その存在感は副キャプテンのジェームズ・ミルナーとともに偉大であり、他の選手たちにとってのロールモデルであり続けている。
チャンピオンズリーグやプレミアリーグ、FAカップ、カラバオカップと様々な大会を制覇しているリバプールにおいて、ジョーダン・ヘンダーソンの貢献度は言わずもがな。チームを率いるクロップ監督も手放しで、世界最高峰のキャプテンを絶賛している。
「ここ数年、私たちが達成したことは、彼なしでは起こり得なかった。シーズン中、グループをまとめ、困難な状況でもグループを維持するためには、非常に多くの重要なことがありますが、彼はその点で優れている。」
「彼はスピードがあり、持久力もあり、どこまでも走り続けることができる。ディフェンスの技術も素晴らしいし、オフェンスの技術においても気付き、ビジョン、パスなど、本当に卓越している。」
「彼に期待しているのは、他の選手たちに期待することと同じで、可能な限り最高の自分であること。それによって、サッカーで勝つチャンスが生まれるんだ。」
「私がここに来たときには、すでに彼はキャプテンを任されており、変える必要性がなかった。就任当初はジョーダン・ヘンダーソンを知らなかった。選手としては知っていたが、人間としては知らなかった。彼はサッカーチームを率いるのに、必要なものをすべて持っているんだ。」
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カタールW杯を最後に、代表からは退く見込みであり、クラブに集中できる。とはいえ、すでに32歳と、あれだけ走り回るプレースタイルを体現し続けるのは難しい。今後はポジショニングをさらに高め、体力を温存しつつも試合を読むスタイルに変更が求められそうだ。
アンフィールドでは通算448試合33得点58アシストと、見事すぎる成績を残している。チームメイトやコーチ陣からの信頼は厚く、サポーターとも強い信頼で結ばれている。スティーブン・ジェラードとの比較にも苦しむ時期もあったが、いまでは新たな形のキャプテン像を築いた。
そして、今後もリバプールのレジェンドとして、何度も優勝トロフィーを掲げた姿は語り継がれることだろう…