フラム戦とクリスタル・パレス戦で引き分けに終わり、流れを転換させるために勝利が必要だったリバプール。オールド・トラフォードでのマンチェスター・ユナイテッド戦は生まれ変わったホームチームに飲み込まれ、まさかの敗戦で浮上のキッカケを掴み損ねた。
ポゼッションを高め、攻撃を繰り返した時間帯もあるものの、決定機はわずか。ゴール前での迫力にも欠け、ミッドフィルダーやディフェンダー陣もゲーゲンプレスを簡単に掻い潜られ、カウンターを食らう場面も多かった。
怪我人も多く苦しい台所事情のため、途中から投入できるプレーヤーが限られる。ファビーニョやコスタス・ツィミカスは守備面で強みを発揮するタイプであり、攻撃的なオプションで言えば、ポルトガルU-21代表MFファビオ・カルヴァーリョのみ。
それでも途中からピッチに立った同選手は、モハメド・サラーのゴールの起点となるシュートを放つなどチグハグな攻撃が続いたリバプールにおいて、積極的な攻撃参加で輝きを放った。マンチェスター・ユナイテッドで黄金時代を過ごし、イングランド代表の常連でもあったMFポール・スコールズは若きミッドフィルダーのプレーぶりに感銘を受けたようだ。
「ファビオ・カルバーリョは途中投入されて、よくやったと思う。彼はボールを運び、前線に駆け上がった。ピッチの中央で創造性を発揮するというのは、そういうことなんだ。」
「（ジェームズ・）ミルナーと（ジョーダン・）ヘンダーソン、彼らはあまりにも似すぎている。カルバーリョが入ったとき、彼は実際にディフェンスに向かって走り出し、もう少し創造性を発揮しようとしたんだ。」
Optus Sport
負傷者が多発していることは理解している。それにしても、攻撃面ではペナルティエリア内に入り込むことが少なく、ディフェンス面でも軽い対応が目立つ。どこかおかしいリバプールだけに、明るい材料は限定的だ。
その中でも一縷の望みとなっているのが、今夏にフラムから加入したMFファビオ・カルヴァーリョ。ジェームズ・ミルナーの出来がよろしくなかっただけに、次の試合ではスタメンでもおかしくない。よくないチーム状況において、若き逸材は光をもたらすことができるのだろうか…？