オールド・トラフォードでの1戦は、戦前の予想を覆す結果となった。開幕から2試合、最悪の出来で2連敗と最悪のスタートを切ったマンチェスター・ユナイテッド相手に、アウェイの地と言えど、リバプールが負けることを予期した人は少ないはず。
しかし、試合開始直後からホームチームは激しいプレッシングでリバプールの自由を奪い、インテンシティの高いサッカーを展開。詰めかけたサポーターも後押しし、先制点を奪取。後半にも追加点を奪い、1点返されたもののエリック・テン・ハフ監督が初勝利を手にした。
リバプールにとってはもどかしい日々を過ごしている。フラム戦とクリスタル・パレス戦と勝ち切れず、マンチェスター・ユナイテッド戦でもチグハグなプレーが散見され、攻撃面ではサディオ・マネ退団の影響を感じざるを得ない。
かつてリバプールやマンチェスター・ユナイテッド、ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズなどでプレーした元イングランド代表MFポール・インスは、リバプールのフォーメーションや戦い方に試合開始1分から違和感を感じていたと明かしている。
「インテンシティもリズムもなかった。」
「ファビーニョが後半に投入され、彼らは別のチームになった。」
「(ユルゲン・クロップは)ジョーダン・ヘンダーソンを外し、ジェームズ・ミルナーには失礼だが、彼は試合中ずっとプレーしていた。試合開始1分から、チームのセットアップに違和感を覚えた。」
Optus Sport
オールド・トラフォードでのジェームズ・ミルナーの出来は芳しくなかった。本来ならばもう少し早く交代してもよかったのだが、怪我人が相次ぐリバプールだけに交代選手がいないのも事実。ファビーニョを先発すべきだったのは明らかだが、ローテーションで疲れを溜めさせないためには必要な決断だ。
ただし、すべてを負傷者の多さに紐づけることはできない。パフォーマンスは開幕節から上がり切らず、クロップ・サッカーの代名詞ゲーゲンプレスもその性能が落ち始めている。
苦しい台所事情の中でも、きっとユルゲン・クロップ監督はチームを上昇させてくれるはず。サポーターとしては、ポール・インスの言葉に惑わされずに信じ続けたい…