オランダ・ズウォレからやってきた若きDFセップ・ファン・デン・ベルフは、周りに親しい人がいないリバプールでの生活に馴染めず、サッカーにおいてもイングランド独特の速さに苦戦するシーンが散見され、直近では1年半に渡り、プレストン・ノースエンドで武者修行を行った。
本職ではない右サイドバックやウイングバックでの起用も多く、新たなプレーを手に入れ、トップチームでの経験値もアップ。今シーズンはプレシーズンに帯同したものの、強力センターバック陣を前に、ふたたびレンタル移籍が取り沙汰されていた。
しかし、イブラヒマ・コナテとジョエル・マティプの負傷離脱により、ベンチ要員としてオランダU-21代表DFを残しておかなければならなかったチーム事情もあり、噂されていたブラックバーン移籍が頓挫。
ジョエル・マティプが練習に復活し、5番手にはナサニエル・フィリップスが控える。現状では残留したとしても、カップ戦でも出番があるかわからない。若きセンターバックの気持ちは明らかで、ローン移籍でプレー時間を確保したい。
そこに飛び込んできたのが、今季からブンデスリーガに昇格し、日本代表DF吉田麻也を獲得したドイツの名門クラブ・シャルケ。内田篤人が長らくプレーし、昨シーズンには同じく日本代表DF板倉滉がプレーしていた。
イングランドよりも母国オランダが近く、家族や友達とも会いやすい。近年はブンデスリーガは若きフットボーラーにとっては格好の成長の場となっており、プレストンで磨いた能力をさらに高められれば、ジョエル・マティプらが30歳を超えているリバプールでのレギュラー争いも夢ではない。
まだ確定した訳ではないが、ドイツで新たな旅路を送ることになるかもしれないセップ・ファン・デン・ベルフにエールを送りつつも、ハイラインでも信頼できるだけのセンターバックに成長してくれることを期待してやまない…