リバプールではたびたび負傷で離脱しているものの、ピッチに立ったときの輝きは群を抜き、いまやチームに欠かせない選手としてクロップ・サッカーに適応したのが、元バイエルン・ミュンヘンMFチアゴ・アルカンタラ。
抜群のビジョンやパスセンスで攻撃にリズムを付けながらも、適切なポジショニングでタイミングの良いプレスで相手のボールを絡めとる。ファビーニョとのコンビネーションも見事で、ジョーダン・ヘンダーソンが衰えから影響力が減少している中、まさにピッチ上で指揮を執る。
新加入FWダルウィン・ヌニェスの良き兄貴として、キャプテンではないが、精神的な役割も担っている。小さな頃から育ったバルセロナを離れ、サッカーキャリアの早い段階でドイツに新天地を求めた同ミッドフィルダーは、ドイツ王者の一員として数々のタイトルを手に入れた。
しかし、新たなチャレンジを希望したスペイン代表MFは、バイエルンとの契約延長交渉を拒否。そこに飛び込んだのはリバプールで、契約期間が残り1年になったタイミングで中盤のテクニシャンを迎え入れた。
さまざまな修羅場をくぐり抜けてきたチアゴ・アルカンタラも移籍に際して悩んでおり、相談に乗った ”ひとり” が元リバプールMFシャビ・アロンソだったようだ。スペイン代表やバイエルン・ミュンヘンでもチームメイトだったアロンソは、新たな旅路においてリバプールは最適な場所だ、と伝えていた過去を明かしている。
「あの夏は、彼がオプションについて考えていて、たくさん話をしたんだ。」
「僕は “チアゴ、君はサッカーが好きだし、バイエルンにいて素晴らしいクラブにいるし、素晴らしいことを成し遂げた。ただ、リバプールは純粋なサッカーだし、今までと同じように楽しむことができるだろう。新しい章にふさわしいと感じたら、リバプールより良い場所はないだろう” と伝えんだ。」
「彼が独特な選手であることがわかるだろう。」
「彼は競争的であると同時に、あのヨーロッパにはない魔法のようなブラジルのプレーぶりを持っているから、違う才能を持っている。」
「競争力がありながら、違うこともできる。彼はバイエルンで偉大な選手だったし、リバプールでも一貫して偉大な選手であり続けているよ。」
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最初の6ヶ月間は新型コロナ感染や負傷の影響で獲得は失敗だったのではと疑われるほどだったが、後半戦から実力をまざまざと見せ付け、チームメイトやサポーターからの信頼を獲得。運動量が豊富な選手が多かったリバプールに、フィリペ・コウチーニョ以来となる高いテクニックで相手ディフェンスを翻弄。
今シーズンも開幕戦で負傷してしまい、1ヶ月近く離脱。しかし、先発復帰したアヤックス戦では見事すぎるパフォーマンスを披露。同選手の離脱でどこか停滞気味だった中盤をふたたび輝かせ、その能力の高さを改めて証明した…