リール(フランス)からリバプールに加入した元ベルギー代表FWディボク・オリギは、移籍当初こそ、ヴォルフスブルクにレンタルされるなどトップチームに定着できなかったが、少しずつ強力フロントスリーのバックアップの立場を任されることに。
最大のキッカケは、リバプールがトッテナム相手にチャンピオンズリーグで優勝を成し遂げたシーズン、準決勝バルセロナ戦。アウェイで3点リードを許し、敗退目前だったものの、オリギの1ゴール含む3点で同点に追いつくと、トレント・アレクサンダー=アーノルドが素早く入れたコーナーキックに一人だけ反応し、決勝点を叩き込んだ。
貴重なベンチメンバーとして起用されると、得点が必要な場面で必ずと言っていいほどゴールを奪ってくれる頼れる存在となった。スタメンで出場してしまうと、あまりその能力を発揮できない試合が多かったが、途中出場でのインパクトは、アンフィールドのサポーターを魅了し続けた。
2022年の夏には出場機会を求めて、リバプールと契約満了。イタリアに新天地を探し、ACミラン移籍で決着。ところが負傷で出遅れると、フランス代表FWオリビエ・ジルーが好調なことにあり、レギュラーの座を掴みきれずにもがいている。
イタリア紙『CalcioMercato』によると、怪我の多い元ベルギー代表FWの去就を憂慮しており、来夏の移籍マーケットでの放出も視野に入れているそうだ。
W杯中断前までには、14試合でわずか1ゴールのみ。チームに馴染んでいるとは言い難く、カタールW杯も代表漏れ。スタメンとして毎週のようにプレーすることを目指して移籍しただけに、半年間と言えども不本意なシーズンとなっている。
シーズン前に加入を決めた同フォワードは抱負を語っており、ACミランを選ぶに至った経緯や要素を赤裸々に明かしていた。
「大きなものを勝ち取り、チームを作る過程を見ることができ、プレミアリーグでも優勝してきた。難しい場面や大事な場面でパフォーマンスを発揮することなど、さまざまなことを経験することができた。そして、27歳という年齢は、自分の身体がどんどん良くなっていくのを感じる、とてもいい年齢なんだ。」
「フレデリック・マッサーラ(ディレクター)やパオロ・マルディーニ(テクニカルディレクター)と初めてクラブレベルで話をしたとき、彼らのビジョンやクラブがどのように進化しているかを知ることができて、本当にうれしかった。」
「ここでプレーし、サンシーロのあの雰囲気を味わうことができ、常に特別な感覚だった。チームのプレーぶり、監督のマネジメント、ファンのあり方、クラブにおける歴史など、これらすべてが、僕がここに来て、このクラブに加わることに至った要素なんだ。」
まだ27歳であり、この1シーズンのみで判断を下すとは思えないが、果たして元リバプールFWのキャリアはどうなることやら…