2015年の就任以来、着実にリバプールを強くさせたユルゲン・クロップ監督。チャンピオンズリーグでは3度も決勝に進出し、トッテナム相手に優勝をもぎ取った。プレミアリーグでは、同クラブを30年ぶりのイングランド王者に導き、世界でもトップ5に入る名将だ。
しかし、今シーズンは開幕節から躓き、怪我人が多いこともあり、本来持っているパフォーマンスを見せられずに、国内リーグで中位に沈んでいる。数々の栄冠をもたらした主力選手たちが退団や年齢を重ね、20代後半の選手たちが主力を張れない現状もあり、30歳以上の選手たちと20歳前後の若手に責任がのしかかっている。
まさに過渡期であり、容易に乗り越えられるものではない。それでも、ドイツ人指揮官はボルシア・ドルトムントでは成し得なかったしなかったチームの再構築に力を注ぐために、2026年までの新契約を締結したと語り、長期的な視野をもとに世代交代に取り組む意思を口にした。
「最大のチャレンジとは言わないが、チャレンジであり、それ(再構築)が必要だと思ったことが、新契約にサインした大きな理由の “ひとつ” でもある。」
「一朝一夕にはいかないだろうし、他の監督が就任しているところを想像してみてください。私は休暇でどこかにいて、誰もが私の名前を “彼と一緒なら起こらなかっただろう!” と叫ぶだろう。私は決して奇跡を起こすような人間じゃないよ。」
「だから、今のままでいいんだ。移行期にはいろいろな問題が起こるし、僕らにはたくさんの怪我人がいるから、本当に複雑なんだ。」
「私は、明らかに…外部の大多数の人々が短期的なことにしか興味がないことは知っているが、我々は長期的な視点も持たなければならない。」
BT Sport
今シーズンの出来悪さから解任説も世間では噂されたが、リバプールはクロップ監督に全幅の信頼を寄せており、同監督もオーナーから解任されない限りは、同クラブで難しいミッションに挑む姿勢を述べており、ふたたびヨーロッパでも頂点にたどり着くために全力を尽くしている。
今年の夏には、ジュード・ベリンガムら次世代を象徴するような選手たちに接触を図っており、失いつつある前線からのプレッシングが復活するかもしれない。昨夏に加わった選手たちもチームに馴染み、来シーズンはプレミアリーグの優勝争いに絡むチームに生まれ変わってくれる…はずだ…