カタールW杯で大躍進を遂げたモロッコ代表。下馬評が決して高くない中で、次々に強豪国を破り、同大会を4位という堂々たる成績で終えた。アクラフ・ハキミやハキム・ツィエクらスター選手を有する中でも、モロッコ代表の中心部で印象的な働きを見せたのがフィオレンティーナMFソフィアン・アムラバトだ。
堅守を誇った同国代表の最終ラインの前で精力的に動き続け、何度も何度も相手ボールを奪い続けた。その献身性から一躍 “時の人” になった同ミッドフィルダーには多くのクラブが関心を寄せ、今シーズンにおいて、多くの先制点を献上しているリバプールもそのひとつのクラブだった。
ところが、冬の移籍市場が開くと移籍報道が鎮火。ジュード・ベリンガムやモイセス・カイセド、マテウス・ヌネスら獲得リスト上位のミッドフィルダーに関する噂は連日のように報じられる一方で、モロッコ代表MFの名前は見なくなっていった。
リバプールは同選手の代理人と話し合いを実施していた事実を吐露しつつも、リバプールが他のミッドフィルダー獲得にも動いていたことで、アムラバト陣営が先発の座を危惧し、交渉から撤退したと、海外メディア『Foot Mercato』 アナス・バカール記者が明かしている。
「覚えておいて欲しいのは、ワールドカップ期間中に(ソフィアン・)アムラバトの側近とリバプールとの間で前向きなミーティングが開かれた。でもあいにく、彼の代理人は、リバプールがこの移籍市場で多くのミッドフィルダー…ジュード・ベリンガムやエンソ・フェルナンデスなどとも繋がっており、リバプールがボルシア・ドルトムントやベンフィカと話し合っていると思っていたようなんだ。」
「だから、アムラバトの代理人にとっては、選手がユルゲン・クロップのもとで絶対的なスターターになれるかどうか、非常に難しい状況だったこともあり、彼らはリバプールとの交渉を断念することにしたんだ。」
結果的に、アンフィールドへの移籍がなくなったモロッコ代表MF。今年の夏には、ベリンガムを筆頭に何名かのミッドフィルダーを獲得する見込みのリバプールにとって、フィオレンティーナMFは優先度が低く、移籍が実現する可能性は限りなく低い。
モロッコ代表同様に守備に重きを置くアトレティコ・マドリード移籍が有力視される中、同ミッドフィルダーがフィオレンティーナから去る日はやってくるのだろうか…?