10代でトップチームに帯同し、ジョー・ゴメスと併用された期間を経て、右サイドバックのレギュラーの座を掴み取ったイングランド代表DFトレント・アレクサンダー=アーノルド。世界でも類を見ないほどのキックの精度で、数々のアシストを決める稀有なサイドバックとして名を馳せた。
しかし、アシストの数が減り、今季はリバプールの守備が悪いこともあり、同ディフェンダーの守備対応が批判の的に挙がることも少なくない。攻撃比重を置き、ジョーダン・ヘンダーソンのカバーが毎年遅くなることも影響しているが、対人守備や背後の対応は非常に稚拙と言わざるを得ない。
フィジカルを強化し、上半身の強さに磨きはかかっている一方で、若い頃にはあった身軽さを失った印象も。加えて、サディオ・マネが去ったフォワード陣との連携も上がり切らずに、ここまでアシスト数がわずか “2” と期待はずれで、より一層ディフェンスの悪さが目立っている。
かつてリバプールでプレーし、フラムなどでもレギュラーとして活躍した元イングランド代表MFダニー・マーフィーは同選手のディフェンスを痛烈に批判し、毎シーズンのように悪化していると指摘。ただし、サラーやヘンダーソンのカバーの無さにも触れている。
「ディフェンスが悪くて、危険を察知しないから、対処できないんだ。」
「つまり、奇妙なことに、試合を生で見ていると、トレント(アレクサンダー=アーノルド)はパスやクロスなど、攻撃面では世界中の右サイドバックの中でもあまりできないようなことをやっていた。」
「でも、守備の面では下位リーグでも考えられないようなことをやっている。例えば、背後を突くランナーに対してスイッチを切ってしまったりね。」
「彼は、良くなるどころか、悪くなっているような気がする。最初の2〜3シーズンは、若い選手だからと守備の悪さを許していた人も多かったと思う。」
「しかし、彼は今、学ばなければならない。(ジョー・)ゴメスは孤立し、トレントはピッチの高い位置にいることが多かった。」
「もっと言えば、(モハメド・)サラーは何もしてくれない。サラーは守備をしない。クロップ監督が彼に “戻って守備をするな” と言っているのかどうかは知らない。私はドレッシングルームにいないので、その指示はわからない。」
「でも、彼は戻ってトレントを助けない。つまり、最高の右サイドバックは、時には前の選手からの助けが必要なんだ。だから、(ジョーダン・)ヘンダーソンはわざわざ走って出てこようとするのが遅すぎたんだ。とはいえ、彼も世界最高の選手のひとりと対峙していた。」
TalkSPORT
イングランド代表でも、守備の悪さから序列が下がっている。カイル・ウォーカー(マンチェスター・シティ)やリース・ジェイムズ(チェルシー)らが攻撃と守備のバランスが良く、トレントほどのボールが蹴れるわけではないが、総合点で優位を保っている。
右サイドバックとしては守備の改善は避けて通れない。ユルゲン・クロップ監督の判断は気になるが、そろそろ一列上げるなどの対応が必要な時期に差し掛かっていそうだが、同ディフェンダーがポジションを変更する未来はあるのだろうか…?