リバプールを応援する父親のもとに生まれ、弟も熱狂的なサポーター。ハーヴェイ・エリオット自身も必然的にリバプールを見て育ち、アンフィールドでのプレーを夢見る少年だった頃、ロンドンに住んでいたこともあり、同じ地域にあるクラブのアカデミー加入を目指していた。
最終的にはフラムに加入し、プレミアリーグ最年少出場記録を更新。翌年には愛するリバプールに移籍し、同リーグ優勝を間近で体感。翌シーズンにはブラックバーンで武者修行の末、インサイドハーフにコンバートされると、大怪我を乗り越えて、今季はここまで41試合に出場している。
20歳ながらもチームに欠かせない選手に成長した若きミッドフィルダーだが、フラムに入団する前にチェルシーでテストを受けていたが、入団を拒まれてしまった。その理由を問われた同選手は、身体が小さかったことが原因だったと明かしている。
「率直に言って、僕が小さすぎたからだね。技術的にはグループの中でもトップクラスだが、小さすぎると言われたのを覚えている。これまでのサッカー人生であんな気持ちになったことはなかったと思う。」
「若い頃は、プレーする機会も契約する機会もないとわかっていた。自分はもうダメだ、サッカー選手としてのキャリアはないんだと思った。彼らの決断を尊重し、友人たちとサンデーリーグで少しプレーし、そのあとフラムに入ったんだ。」
We Are Liverpool
いまやイングランドU-21代表の常連で、フル代表も決して夢物語ではなくなった。慣れ親しんだウイングポジションとはタスクが異なるミッドフィルダーとして、毎試合のように成長。フィジカルバトルでは対抗できないが、献身的なプレーで中盤を支え続けている。
欲を言えば、相手ゴール付近で効果的なパスを繰り出し、同僚のチアゴ・アルカンタラのようなタイミングを見計らったプレッシングができるようになれば完璧。試合を読む力が必要なため、少しずつでも身につけたいところだ。
とはいえ、プレミアリーグでも屈指のプレーヤーとして評価を高めており、幼い頃の苦い経験を糧に、世界でも最高ランクのミッドフィルダーの地位を確保してくれると…信じてやまない…