バーミンガム在籍時代にもメガクラブが興味を示し、最終的にはブンデスリーガで戦うことを決意したイングランド代表MFジュード・ベリンガムはボルシア・ドルトムントに加入。いまではキャプテンを任されるほどに成長し、19歳ながらも世界でもトップクラスのミッドフィルダーと評されるほどに。
ダイナミックかつ、ボックス・トゥ・ボックスタイプのプレースタイルは同国代表レジェンド、スティーブン・ジェラードやフランク・ランパードを彷彿とさせ、今夏の移籍市場では去就に注目が集まる選手のひとりだ。
リバプールも同選手の動向を追っていたものの、高騰し続ける評価額に資金力で対抗が難しく、獲得レースから早々に撤退。マンチェスター・シティやレアル・マドリードが最有力と見られる中、ドルトムントに残る可能性も十分あり得ると、英『The Sunday Times』のジョナサン・ノースクロフト特派員が伝えた。
「しかし、ドルトムントでキャプテンを務め、19歳でワールドカップの主役になったベリンガムの急成長は、彼の価値を再認識させ、マンチェスター・シティとレアル・マドリードという、より高い資金力を持つ2クラブが争奪戦に参戦中だ。」
「マンチェスター・ユナイテッドが興味を示し、パリ・サンジェルマンも熱心であると考えられているため、ドルトムントがオークションにかけることが予想される。ベリンガムには買い取り条項がなく、手数料を考慮すると1億3000万ポンド(約182億円)以上になるとみられている。しかし、移籍先はクラブではなく、選手が選択することになる。自分に合わない移籍を押し付けられるよりは、一旦ドルトムントに残って2024年に再検討することを希望しているという。」
「さらに認識とは対照的に、彼がリバプールを好むという事実は一度もなかった。父親のマークはリバプールのファンだが、選手とその家族は、彼の成長にとってベストであること以外のすべての要素を方程式から除外することによって、これまでのキャリアを完璧に計画してきた。そのため、この取引を実現するための特別な手段がないリバプールは、予算と夏時間を費やして、勝算のない入札合戦に参加するリスクを避けるために、撤退した。」
来夏になったとしても、決して移籍金が安くなる確証はない。しかし、契約期間が2025年6月までとなっており、来年の夏には残り期間が1年を切る。フリートランスファーでの退団を避けるためにも、妥協した金額で移籍を許す可能性も否定はできない。
そうなると、今夏の争奪戦から手を引いたリバプールにもチャンスが生まれるかもしれない。ただし、中盤再構築のために大金を投じる見込みなだけに、来年にどの程度予算を残しておけるのかは甚だ疑問ではある。
はたして、イングランドの至宝の未来はどのようなキャリアになるのだろうか…?