プレミアリーグが終盤に差し掛かっている中、残留争いは稀に見るほどに激戦。サウサンプトンが少し脱落気味だが、12位〜19位までが僅かの勝ち点差で競っており、毎週のように順位が入れ替わる目まぐるしい展開が繰り広げられている。
ボーンマスやノッティンガム・フォレストら昇格組ら開幕前から予想されていたチームに加えて、近年は上位争いに食い込み、ブラジル代表MFルーカス・パケタやイタリア代表FWジャンルカ・スカマッカら積極補強を敢行したウェストハム・ユナイテッドも巻き込まれている。
まだ予断を許さない状況において、万が一にも降格となれば主力選手の放出は免れない。かねてから今夏での退団が予想されているイングランド代表MFデクラン・ライス以外に、カタールW杯で世界を驚かせたモロッコ代表DFナーイフ・アゲルドに対して、リバプールやトッテナム、マンチェスター・ユナイテッドが熱視線を送っていると、フランス紙『Jeunes Footeux』が報じた。
左利きの27歳センターバックは、2022年6月にレンヌからウェストハム入り。開幕当初こそ足首の負傷に伴い、ベンチ入りすらできなかった。しかし、W杯中断期間直前のレスター・シティ戦でプレミアリーグデビューを飾ると、勢いそのままにモロッコ代表としても堅守に貢献した。
国内リーグ第19節リーズ・ユナイテッド戦からはスタメンに定着し、ここまで12試合に出場。屈強なストライカーやウィンガーも多いイングランドでもフィジカル負けせずに、的確なタックルなどで相手の攻撃を封じ続ける。
一方で、左足から繰り出される正確なパスで最後尾からの組み立てやロングフィードで相手ディフェンダーの裏をつく。ジョエル・マティプやジョー・ゴメスらの去就がいろいろと慌ただしくなっているリバプールにとっては、新たなセンターバック確保は優先度の高い課題であり、左側のセンターバックを担える利点は大きい。
ただし、経験値は決して高いとまでは言えずに、チャンピオンズリーグ経験も乏しい。2027年まで契約を結ぶモロッコ代表センターバックだけに安い移籍金で獲得は難しそうだが、もしもウェストハムがチャンピオンシップに降格した場合には金額が変化するかもしれない。
大幅なアップグレードにはならないが、チーム全体としての戦力アップには繋がる補強。はたして、リバプールはトッテナムやマンチェスター・ユナイテッドらとともに、獲得レースとに参戦するのだろうか…?