チェルシー時代には成功を掴めなかったが、イタリアでの経験を経て、プレミアリーグに戻ってきたエジプト代表FWモハメド・サラーはアンフィールドで数々のゴールを決めてきた。これまで297 試合182ゴールと凄まじい数字を残しており、エジプシャン・キングの愛称にふさわしい活躍を見せている。
しかし、トップスコアラーも年齢には逆らえない。ゴール前での決定力こそ健在だが、全盛期のようなスピードやドリブル突破は難しくなっており、いますぐではなくとも、数シーズン後には後継者をチームに加えたいところ。
ルイス・ディアスやダルウィン・ヌニェス、コーディ・ガクポらフォワードを次々に獲得してきたリバプールだが、いずれも右ウイングでの経験は乏しく、左ウイングがメインポジション。今夏の移籍市場では優先されることはないが、2024年の夏には新たな右サイドのウィンガーが必要になりそう。
スペイン紙『El Mundo』によれば、ユルゲン・クロップ監督はエジプト代表ストライカーの後継探しを続けており、アスレティック・ビルバオに所属するスペイン代表FWニコ・ウィリアムズを長期的なプロジェクトの一環として注目しているようだ。
モハメド・サラーとは異なり、右利きではあるものの、右ウイングが本職。脅威的なスピードに、切れ味鋭いドリブルで局面を打開できる若きウィンガーだ。20歳ながらもスペイン代表の常連で、スタメンにこそなれていないが、ここまで8試合でピッチに立っている。
クラブではレギュラーとして、20試合以上に出場。今シーズンは8ゴール6アシストを奪っており、コパ・デル・レイにおいては準決勝進出に貢献した。
ただし、気になるのは得点力。トップチームでは77試合11ゴールと物足りなさを感じてしまう。エジプシャン・キングが異常なほどのゴールペースを維持しているため、あのレベルを求めるのは酷だが、最低でも二桁得点、あやよくばシーズン通して15ゴールは狙えるストライカーの方が好ましい。
所属クラブとの契約は2024年6月までとなっており、契約を更新しない限りは、移籍金が高くなる可能性が低いことは “買い” ポイント。20歳という年齢も魅力的で、若手育成に定評のあるドイツ人指揮官のもとで急成長するかもしれない。
今夏で元ブラジル代表FWロベルト・フィルミーノが退団するが、フォワードには5名の主力級が在籍しており、ハーヴェイ・エリオットらもプレー可能。そうした状況で、20歳ウィンガー獲得に動く可能性は低そうだが、はたして…?