昨夏の移籍マーケットにおいて、レアル・マドリードに移籍したフランス代表MFオーレリアン・チュアメニを追っていたリバプール。その後はしばらく距離を置いていたが、プレミアリーグ開幕が迫り、ミッドフィルダー陣に怪我人が相次いだことで、締め切りが近づく中でふたたび中盤強化に乗り出した。
しかし、時すでに遅し。シーズン開幕直前に主力を放出したいクラブなどなく、結果的にはユベントスでレギュラーになりきれていない元ブラジル代表MFアルトゥールを1年間のレンタルで獲得。活躍次第ではシーズン終了後に完全移籍に移行するオプションも付随していた。
蓋を開けてみると、元バルセロナMFがトップチームでピッチに立った時間は、チャンピオンズリーグで途中出場した “わずか” 13分のみ。シーズン中には怪我を負ってしまったこともあり、ミッドフィルダー陣が復帰し始め、プレミアリーグでは5試合以外でベンチ外が続く。
完全に失敗となってしまった移籍だが、リバプールでの生活やクロップ監督との関係性は良好なようだ。クラブからの待遇にも満足しており、いまでは特別な感情を抱くまでにアンフィールドに心酔していると語った。
「来季は良いものになると予感している。キャリアにおいて決定的なものになるだろうし、僕は一生懸命に取り組んでいる。」
「新しいバージョンの自分を見せられることを楽しみにしているんだ。」
「リバプールで何かしらプレーして、チームメイトや技術委員会、そして僕にとても良くしてくれたファンに別れを告げる機会があるといいんだけどね。」
「僕が到着したときから、(ユルゲン・)クロップは僕を本当によくしてくれた。ユルゲンと一緒に仕事ができるのは、僕にとって名誉なことだ。」
「彼は世界最高のコーチのひとりで、いつも僕のことを気にかけてくれる。信じられないような人物で、扱いは常に素晴らしく、優雅で特別なものだった。」
「彼のような人と一緒に練習できることは、選手として多くのことを与えてくれるし、彼から多くのことを学べるので、この先も役に立つと確信している。」
「怪我から復帰して、もっとプレーしたいのは山々だけど、僕が来たときと今とでは状況が違うということは理解している。当時はチームに必要だったけど、今は他に需要があるからね。
「ただ、彼らと話していて、誰も僕に不満はないと言われると、逆に安心感があるんだ。また、リバプール全体として、僕をとてもよくしてくれたし、彼らには良い言葉しか思いつかない。とても特別な愛情を持っているんだ。」
Goal
来シーズンはユベントスに戻り、イタリアでポジション争いが待ち受けている。もしくは、別のクラブにレンタルの可能性もあるが、26歳になったミッドフィルダーには最後のチャンスになり得る。はたして、元ブラジル代表はバルセロナ時代の輝きを取り戻せるのだろうか…?