リーズ・ユナイテッドで衝撃的なデビューを飾り、ニューカッスルやアストン・ヴィラ、マンチェスター・シティと渡り歩いた元イングランド代表MFジェームズ・ミルナーが30歳目前で選んだクラブが、リバプールだった。
2015年の加入以来、本職の中盤以外にも左右のサイドバックとして足りないポジションを補い続け、近年は試合を締める、野球で言えば抑えのような役割を担い、途中出場からチームをふたたび引き締めて、数多くの勝利に貢献してきた。
37歳になり、現行契約を更新しないことを決意。8年間在籍したチームに別れを告げることになったわけだが、加入当時に狙っていたことを成し遂げられたことから、元イングランド代表MFは今回の決断に後悔はしていないと主張している。
「あえて言えば、ヨーロッパリーグ決勝(2016年のセビージャ戦)で勝てたら良かったけどね。僕らは優勝まで何かが足りなかった。それ以外は…ないね。だからこそ、簡単ではなかったけど、この場所を去る決断に後悔はない。もし、自分が望んでいたものを逃した、あるいは達成できなかったと感じたら、ここを去ることはおそらく悲しい出来事だったと思う。」
「僕がサインしたとき、リバプールが過去に勝ち取ってきたものを見ると同時に、ここに来ることの魅力は、クラブがここ最近成功していないことだったんだ。新たな時代を始められるか?毎回狙いが当たるわけじゃないけど、それが目的だった。30年ぶりにリーグタイトルを獲得するチャンスがあり、それを実現するために必死だった。それは特別なことだったよ。」
「でも、クラブを去るときに “よくやった” と思えたらいい。それが、僕が望んでいたことなんだ。」
Liverpool Echo
ミルナーにとって加入初年度で、シーズン途中からユルゲン・クロップ監督が就任した2015-16シーズンにおいて、ヨーロッパリーグであれよあれよとトーナメントを勝ち上がったリバプールは、惜しくも決勝で敗れた。すなわち、同選手にとって、リバプールで唯一獲得できていないタイトルとなった。
とはいえ、チャンピオンズリーグ優勝に、プレミアリーグ制覇、リーグカップやFAカップも勝ち取り、クラブW杯の称号も手に入れた。アンフィールドでの生活は “順風満帆” と言って過言ではないはずだ。
ブライトン移籍が近づく同選手だが、元リバプールMFアダム・ララーナとともに若手選手のお手本になりながらも、プロサッカー選手として持ち前のアグレッシブさをいかんなく発揮してくれることだろう…