ウェストハムからフリーエージェントとなったスペイン人GKアドリアンが、リバプールに加入したのは2019年。当初はブラジル代表GKアリソン・ベッカーの控えとして、負傷した時期やカップ戦などで出番を得て、反射神経抜群のセービングで数々のピンチを防いできた。
しかし、前に出ての守備対応やプレスのかかった中でのパス回しなど多くの能力が必要なリバプール守護神としては物足りなさが目立ち、若手GKクィービーン・ケレハーの成長もあり、徐々に2番手の座をアイルランド代表GKに明け渡す格好に。
今季はアリソンやケレハーに怪我なく、カップ戦も早々に敗退してしまったことでコミュニティ・シールド以外に出番はなかった。それでも、ゴールキーパー陣に必要な選手であり、明るく、出場機会がなくても腐らない性格はコーチ陣からの評価も高く、今シーズンまでと迫っていた契約延長し、今後もアンフィールドに残留することになった。
一方で、2番手を務めるアイルランド代表GKには移籍の噂が付き纏う。ブライトンやブレントフォード、トッテナムらが関心を抱いている中、ベテランGKは同選手の成長を絶賛しつつも、忍耐も必要であると、同僚の去就について語っている。
「ケラハーは大きく成長した。僕が2019年に加入したとき、彼はまだ能力のある子供だった。今、彼は一人前だ。プレミアリーグでナンバーワンとしてプレーできることを示している。」
「大きなプレッシャーのかかる中でプレーしたファイナルで、それを証明した。彼は自分のレベルを示している。冷静さと素早い反応など、多くの資質を備えた非常に優れたゴールキーパーだね。」
「もちろん、彼はもっとプレーしたいと思うだろう。しかし、GKのポジションは時に難しく、チャンスを待つ必要があることを理解しなければならない。」
The Athletic
その能力だけであれば、プレミアリーグのクラブでもスタメンの座を掴み取れる。シーズンを通して、毎週のようにゴールマウスに立った経験こそないが、そこは馴れてしまえば問題はないはずだ。
24歳ともう若手からは外れ、中堅選手の仲間入りを果たしており、これからの成長には安定したプレー時間は欠かせない。アイルランド代表でもレギュラーを掴むためにも正守護神になりたいと思っていても不思議はなく、移籍を希望しても理解できる。
はたして、アドリアンも成長を見守ってきた24歳GKは移籍を選ぶことになるのだろうか…?