今夏の移籍市場で、中盤の選手2〜3名を獲得しなければならないリバプールは、シーズン中から交渉を行っていたブライトンMFアレクシス・マック・アリスターを、他のクラブが動き出す前に個人合意を取り付け、3500万ポンド(約49億円)と破格の移籍金でカタールW杯覇者の獲得に成功した。
毎年のように、リバプールは賢い補強を実施してきた。2022年の冬にはトッテナム・ホットスパー移籍に傾いていたコロンビア代表FWルイス・ディアス、この冬にもマンチェスター・ユナイテッド移籍が噂されていたオランダ代表FWコーディ・ガクポと、迅速かつ適正価格でビジネスを完遂してきた。
プレミアリーグで6位に押し上げ、W杯で頂点に立ったアルゼンチン代表MF獲得に際して、リバプールのスマートな動きに驚嘆の声を上げたのは、元アーセナルMFレイ・パーラー。”バーゲン” という言葉を使い、同選手の能力や実績を絶賛している。
「今年も何度も見たし、W杯でも優勝しているのは知っているが、今まで生で見た彼のプレーは素晴らしく、本当にトップクラスだった。リバプールは、3500万ポンドという本当にバーゲン価格で手に入れたと思う。」
TalkSPORT
オイルマネーや投資マネーがプレミアリーグの放映権を押し上げ、潤沢な資金を持つオーナー陣にバックアップされ、大金飛び交うイングランドにおいて、リバプールは適正価格にこだわっており、無用な争奪戦への参加を避けている。
交渉も素早く取りまとめることでライバルチームを排除し、クラブで合意が取れた金額で補強を行う。ニューカッスルが金満クラブの仲間入りをし、プレミアリーグでは中位や下位チームですら、積極的な補強を繰り返し、マネーゲームと化しているサッカー界でも柔軟な立ち回りはクラブ運営のお手本とも言える。
現在のオーナー陣が変わらない限りは、同じような補強が続くはずだが、それでも結果を残してきており、来シーズンの復調には期待が高まる…