サウサンプトンで頭角を表した元イングランド代表MFアダム・ララーナは、2014年の夏にリバプールにステップアップ。イングランド人らしからぬテクニックと独特なドリブルで攻撃を司る試合も多く、クロップ監督のもとでは豊富な運動量を活かした前線からのプレスでチームに貢献した。
しかし、負傷癖がなかなか治らずに、新戦力が加わったリバプールにおいてベンチを温める時間も長くなり、2020年の夏にフリートランスファーでブライトンに加入していた。初年度にはプレミアリーグで30試合に出場し、若手も多いチームにおいて、貴重なベテラン選手として欠かせない存在に。
そして、ほぼ同時期にレンタル移籍を終えて、ブライトンのトップチームに合流したのが、アルゼンチン代表MFアレクシス・マック・アリスター。約3年間に渡って時間をともにした同僚MFが、自身と同じように、リバプールにステップアップを果たす。
イングランドに慣れていない時期から知っている元リバプールMFは、今年1月のインタビューで同選手の成長に触れ、ルカ・モドリッチを比較対象に挙げつつ、そのプレーを絶賛。W杯優勝を成し遂げたアルゼンチン代表でも重要な役割を担っていたと、大舞台での動きを分析している。
「アレクシス、ほんとに特別な選手で、特別な人間なんだろう。彼が落ち着くまで少し時間がかかった。言語を学ぶのにね。彼の英語は今、信じられないほど上達している。プレーの仕方がとても純粋な選手で、彼のプレーには、自分勝手なところがまったくないんだ。」
「ワールドカップでの彼の姿は、とても特別だった。最初はプレーしていなかったのに、だんだん使われるようになり、自分を証明するようになり、そして、この男がプレーしないわけがないと思わせるほどのプレーをした。最後には(リオネル・)メッシが彼を探していた。パス交換を求めてね。」
「アレクシスの役割は、メッシのプレーの写し鏡のようだった。メッシが深い位置にいたら、高い位置でポジションを取る。メッシが高い位置にいれば、ポジションを下げる。これは、彼がどれだけ理解しているか、フットボール・インテリジェンスを示しているんだよ。最速でも最強でもないけど、頭脳は(ルカ・)モドリッチに似ているんだ。足が速いわけでも、力強いわけではないけど、とても頭がいい。彼は、サッカーボールが誰よりも、何よりも速いことを知っているんだ。」
「彼はここ(ブライトン)で、加入当初は困難と戦わなければならなかった。ロックダウンしているときにやってきて、文化や言語に順応するためにね。彼はとても内向的でシャイな男だ。僕は、彼がとても素晴らしい人であることを知っていたから、彼が大丈夫かどうか、いつも確認していた。ただ、彼には時間が必要だった。天候、ブライトン、言語、リーグ戦など、環境に適応するためには、時間が必要なこともあるんだ。」
「ワールドカップで優勝して帰ってきたとき、彼がここで受けたの歓迎は、信じられないほどのものだったよ。」
Graham Hunter on The Big Interview podcast