フルミネンセやレアル・マドリード、ASモナコを経て、2018年からリバプールでプレーするブラジル代表MFファビーニョ。最終ラインの前で相手の攻撃の芽を摘み続け、ゲーゲンプレスを後ろから支える。
2020-21シーズンにはディフェンダーに怪我人が相次いだ結果、多くの試合でセンターバックを務め、苦しみつつもプレミアリーグ3位フィニッシュに貢献。カタールW杯にも母国の代表として出場を果たし、世界でも屈指の守備的ミッドフィルダーと呼ばれて久しい。
2018年の夏の移籍市場では、ライバルのマンチェスター・ユナイテッド移籍が濃厚と言われており、リバプール加入は驚きをもって受け入れられた。予想を裏切った移籍劇の背景には、クロップ監督の存在があったことを認め、そのカリスマ性は誰にも真似できないと語った。
「あの夏、オファーを出したのはリバプールだけではなかった。イングランドの他チームも選べたけど、本当に単純な話で、ユルゲン・クロップと話したら、他の人からは何も聞きたくなくなるんだ。”よし、ありがとう、リバプールに決めた!” という感じだね。」
「イングランドで会って、彼は自分のビジョンやチームのプレースタイル、そして僕がどれだけ重要な存在になるかを説明してくれた。彼が何を言っているのかさえ理解できなかった。当時は英語もあまり話せなかったけど、そんなことは関係なかった。」
「幸いなことに、彼らは通訳を連れてきてくれた。でも、通訳がいなくとも、彼のポジティブさは理解できるんだ。何を言っているのかわからないのに、 “Yes, boss!” と頷いていたよ。」
「彼はこのクラブで驚くべきことをやってのけたが、正直なところ、彼の素晴らしさを語るのは難しいんだ。僕たち選手にとってはそれが普通だからね。彼の手法や準備、チームトーク、意思決定…すべてにおいて卓越しており、僕らは毎日、彼にはそれを期待している。クロップは他にはいないんだよ。」
「僕が到着したとき、リバプールは何か特別なことの始まりだと感じた。クラブはこの瞬間を待ち望んでいた。新加入の選手は、家族のようにクラブに迎えられるんだ。」
「お互いの接し方、扱い方、関わり方、それらはとても特別なもの。でも、ここは大きなクラブで、その意味するところを毎日知ることができる。」
「どこへ行ってもスタジアムは満員で、僕らを待っている人たちがいて、僕らのプレーを見るために世界中を旅してきたファンもいる。その愛とサポートは素晴らしいよ。そして、そこにはアンフィールドがある。」
「誤解しないでほしいんだけど、僕はずっとファンを愛してきた。でも、正直なところ、リバプールより前は、ピッチの中でファンが大きな違いを生み出しているかと聞かれたら、”ノー” と答えていただろうね。今、ここで生活してみると?アンフィールドでプレーしていると、その違いがよくわかる。それを感じることができる。」
The Players’ Tribune