2017年の夏、リバプールに移籍したエジプト代表FWモハメド・サラーはフロントスリーの一角として、脅威的なペースでゴールを重ねた。昨シーズンまでで通算305試合186ゴールを記録し、アシスト数も “79” を数える。
全盛期を超え、近年ではスピードやドリブルでぶち切るシーンこそ減ったが、的確なポジショニングや味方を活かしたプレースタイルで、ゴールに迫り続けている。現在もエースとして君臨するエジプシャン・キングの後継者問題は、避けて通れない課題としてリバプールにのしかかっている。
コーディ・ガクポやルイス・ディアス、ディオゴ・ジョッタ、ダルウィン・ヌニェスら強力なフォワード陣を擁するリバプールだが、得点力やオーラという意味合いでサラーに並ぶものはいない。ハーヴェイ・エリオットや10代ではベン・ドークが台頭しているものの、前者は中盤での起用が多く、後者は右利きでカットインは期待できない。
スペイン紙『Fichajes』によると、リバプールはレアル・ベティスに所属する22歳FWルイス・エンリキに関心を寄せているようだ。元ブラジルU-20代表ウィンガーは、昨夏の移籍市場で同クラブに加入し、昨季はラ・リーガで33試合1ゴール3アシストを挙げた。
長い手足で懐の深いドリブル突破が特徴的なウィンガーは、囲まれても落ち着いて、繊細なタッチで相手を交わすことができる。同じくプレミアリーグのアストン・ヴィラも関心を示しており、イングランド勢による争奪戦に発展する可能性もある。
とはいえ、リバプールが現時点で動く確率は限りなく低い。守備的ミッドフィルダーや左利きのセンターバックが優先ターゲットであり、実力者が揃う前線強化は一旦お休み状態だ。
加えて、エジプト代表ストライカーの後釜としては決定力が低すぎて、獲得リストに名前が記載されているかもいささか疑問だ。ヨーロッパリーグを含めても、3ゴールに留まっており、急激に成長するかもしれないが、現時点ではリバプールが獲得する理由は見当たらない。
レアル・ベティスでの2シーズン目を過ごし、さらなる成長を遂げることが直近の課題となる同ウィンガーだが、将来的にプレミアリーグにステップアップを遂げることはできるのだろうか…?