この夏の移籍期間において、潤沢な資金力を背景に、ヨーロッパ各国から名だたる選手たちを獲得し続けているサウジアラビア。リバプールもその脅威に晒されており、ジョーダン・ヘンダーソンやファビーニョは中東クラブ移籍を決断した。
チアゴ・アルカンタラ、アリソン・ベッカー、ジョー・ゴメスと他にもサウジアラビアからの関心が届く中、話題の中心となっているのがエジプト代表FWモハメド・サラー。現地でも抜群の人気を誇る同選手には、アル・イテハドが1億2000万ポンド(約168億円)前後の巨額オファーを準備しているとも報じられている。
日々、様々なジャーナリストやメディアがいろんなアップデートを伝えており、その去就は慌ただしくなっている。しかし、リバプールは売却不可としており、その姿勢は一度も変わっていない。アストン・ヴィラ戦に向けたプレスカンファレンスに登壇したユルゲン・クロップ監督は、ふたたび放出の可能性を全面否定した。
「ポジションに変わりはない。他に言うことはない。私の知る限り、オファーはない。」
しかし、リバプールや他のヨーロッパのクラブはまだ脅威から逃れられない。サウジ・プロフェッショナルリーグの移籍期限は、9月7日まで開いており、さらにネームバリューのある選手たちが中東行きを求める可能性がある。
先日も苦言を呈したドイツ人指揮官。サウジアラビアに移籍したプレーヤーたちを愛しているとしながらも、ヨーロッパのクラブが太刀打ちできない資金力の差には、UEFAが何かしらの対応をすべきであると主張している。
「次の1週間が、どれほどの挑戦なのか分かるだろう。なぜなら、もう誰も反応できなくなるからね。それはUEFAが目を光らせるべきことで、我々みんなで試合を守る必要がある。」
「私はサウジアラビアでプレーする選手たちを愛している。いつもなら彼らのプレーを見るのだが、どこで見ればいいのか分からず、まだ何も見れていないんだ。私のサッカー観戦の習慣を乱すことはない。」
「UEFAは、欧州リーグが今のような強さを維持できるようにしなければならない。ルールを変え、少しずつ適応させていく。サウジアラビアの活動にはまだ少し驚いているけれど、それはよくあることで、多くの選手がそこに行った。その結果がどこにつながるかはわからない。しかし、脅威や懸念がないとは言いきれない。」
「特定の場面でそれを否定することはできない。ここでの契約とあそこでの契約の差があまりにも大きいからこそ、問題が生じているんだ。」