ジェームズ・ミルナーやナビ・ケイタ、アレックス・オックスレイド=チェンバレンらが契約満了で、昨シーズン限りで退団が予定されていたリバプールは、ミッドフィルダー陣の世代交代に向けて、今夏の移籍市場で精力的に動き回った。
チェルシーと契約延長の話し合いが停滞していたイングランド代表MFメイソン・マウントも候補のひとりで、一時的にはトップターゲットと報じられていた。一部報道では、契約期間が残り1年の選手にも関わらず、8000万ポンド(約112億円)を要求しているとも。
海外メディア『The Athletic』によれば、リバプールはそうした不安定な情報には振り回されておらず、4000万ポンド(約56億円)以上の移籍金を支払う準備はなかったようだ。イングランド人の特別価格が上乗せされたとしても、来年にはフリーで手に入れられる選手だけに、妥当な評価額だ。
ロンドンのクラブから心が離れていた24歳ミッドフィルダーは、チャンピオンズリーグでのプレーも理由に、6000万ポンド(約84億円)前後の金額でマンチェスター・ユナイテッド移籍が決定。2028年までの長期契約に合意していた。
ジョーダン・ヘンダーソンやファビーニョの想定外の退団にも見舞われたリバプールだったが、アレクシス・マック・アリスターやドミニク・ソボスライ、遠藤航、ライアン・フラーフェンベルフと4名のミッドフィルダーを迎え、中盤の刷新に成功した。
シーズンが始まってからの補強となった日本代表とオランダ代表はまだ実力を見せるに至っていないが、アルゼンチン代表とハンガリー代表はすでにレギュラーに定着しており、毎試合のように見事なパフォーマンスを披露している。
マウントだけではなく、ジュード・ベリンガムらも逃したものの、彼らの活躍によりそれも過去の出来事。国内リーグが開幕し、数試合を終えた段階で、中盤のアグレッシブさが戻り、先制を許した試合でもずるずると失点するのではなく、逆転する力強さも戻ってきた。
結果論でしかないが、第2節から負傷離脱している元チェルシーMFを獲得しなかったことは、リバプールにとって正解であった…