エリック・テン・ハフ監督が就任する前に、暫定監督期間も含めて約3年間に渡り、マンチェスター・ユナイテッド指揮官の座を務めた元ノルウェー代表FWオーレ・グンナー・スールシャール監督。2020-21シーズンにはプレミアリーグ2位に導くも安定感に欠け、2021年11月に同クラブを後にした。
ジョゼップ・グアルディオラ監督やユルゲン・クロップ監督ら名将が集うイングランドにおいて、確固たるプレースタイルを持たずに3年間も名門クラブを率いたのはある意味特殊能力だが、同世代で活躍した指揮官に比べると能力は見劣りしていたのは事実だ。
順風満帆とまで行かなかった古巣クラブでの指揮を振り返った同監督は、2021-22シーズンにおいて、ホームにも関わらずリバプール相手に5失点を許して敗北した試合を最低の出来事だったと語り、元ブラジル代表フォワードに頭を悩まされ続けていたと吐露した。
「シティとリバプールのチームは、ファンタスティックな監督を擁したクラブとして、過去最高のものだった。80年代のリバプールはとても良かったから、大胆な発言だとは思うけど、彼らはユルゲン・クロップ監督の下でファンタスティックなチームだったよ。」
「私の最後のシーズンには、ホームでリバプールと対戦した。シティに行って勝ったときに、選手たちは準備ができていると感じた。腰を落ち着けて対抗することもできたが、私の決断は勝ちに行くことだった。そして、5-0で負けた。ハーフタイムにはポゼッションもチャンスも五分五分だったのに、4-0で負けてしまった。」
「私は判断を誤り、それがユナイテッドの監督として最低の出来事だった。ロベルト・フィルミーノはおそらく、監督として私を最も悩ませた相手選手だろう。」
The Athletic
ホーム戦ではないが、昨季あまり出来が良くなかったリバプールだが、アンフィールドで長年のライバル相手に7得点を決め、白星を手にした。スールシャール監督は記憶が塗り替えられて、安堵に包まれているかもしれない。
神出鬼没のフィルミーノは、中盤に落ちてプレーし、攻撃の組み立てに加わる一方で、センターフォワードとして屈強なセンターバックと競り合いながらもチャンスを演出し続けた。最終ラインが掴まえるのか、中盤で潰すのか、対戦相手からすれば対処が難しい選手だった。
ノルウェー人指揮官はいまフリーな状態が続き、元ブラジル代表FWはサウジアラビアに新天地を求めた。時間の流れの速さを感じざるを得ないが、両者がふたたび対戦する日はあるのだろうか…?