トッテナム・ホットスパー・スタジアムで行われたトッテナムとリバプールの試合は、内容とは別に注目を集める戦いとなった。カーティス・ジョーンズのレッドカードに始まり、ルイス・ディアスのゴール取り消しなど判定をめぐる疑惑が浮上した。
とりわけ、ルイス・ディアスの先制点は明らかにオンサイドにも関わらず、オフサイド判定で取り消されると、その直後にはホームチームにゴールが生まれたこともあって、リバプールは当日の音声開示を求める展開に発展した。
PGMOL(プレミアリーグのプロ審判協会)でチーフを務めるハワード・ウェブ氏は、審判団による音声データを公開するに至った背景を語りつつ、同じようなことが起きないように多くの措置を講じたとも発言している。
「私たちは、この事態が起きて間もなく、その音声を公開するという異例の措置をとった。重大な人為的ミスと集中力の欠如であることがすぐに明らかになったことを、みんなに知らせたかった。ゴールが認められず、ピッチ上で見られた明らかなミスを修正するためにVARシステムが介入しなかったことに、私たちはみな失望している。」
「審判自身以上に失望している者はいない。彼らは自分の仕事に誇りを持ち、試合にポジティブな影響を与えたいと思っているが、この場面ではそうではなかった。もちろん、VARがなければゴールは認められなかっただろうが、VARは現場で間違った判断をしたときに介入するために存在する。だからもちろん、我々はがっかりしている。」
「私たちの仕事は、何が起こったのか、今後このようなことが起こらないようにするためにはどうすればいいのかを見つけることだった。」
「映像の冒頭で、VARのダレン・イングランドが “オフサイドをチェックする” と言っているのが聞こえるだろう。ダレンがかなり素早くプロセスを進めているのがわかる。時折、少し遅いと批判されることもあるんだ。」
「我々は効率性を重視しているが、正確性を犠牲にすることはない。ダレンが素早くやろうとしているのがわかる。彼は(クリスティアン・)ロメロに横線を入れ、非常にクリアな絵を見せた。その時点でダレンは現場での判定が何であったかを見失い、オフサイドの映像の中にディアスがいるのを確認して、素早く “チェック完了” としたのだと思う。彼は “チェック完了” を現場のレフェリーであるサイモン・フーパーに伝え、サイモンはそれを聞いて “チェック・コンプリート” がオフサイドであると判断し、試合が再開された。」
「注目されるようになったことのひとつだ。現場のレフェリーがVARに現場での判定を明確に伝え、VARがレフェリーに戻ってそれをきちんと聞いたと認めることを求めている。ただ “チェック完了” と言うのではなく、何を “チェック完了” するのか?私たちは、あの重要な試合で見られたようなミスが二度と起こらないようにするため、かなり多くの措置を講じた。」
Match Officials: Mic’d Up