2017年の夏、リバプールに加入したエジプト代表FWモハメド・サラーは、いまや世界でも指折りのストライカーに成長。毎シーズンのように得点王争いに絡み、今シーズンも毎試合のようにゴールを奪っている。
しかし、同選手にはプレミアリーグで苦い思い出がある。若かりし頃に、バーゼルからチェルシーに加わった快足ウィンガーは、出場機会に恵まれずに、通算19試合2ゴール4アシストのみに留まり、不遇の時代を過ごした。
当時ともにチェルシーに在籍していたナイジェリア代表MFミケル・ジョン・オビは、チームを率いていたジョゼ・モウリーニョ監督の若手の扱いが拙いことで、試合中にエジプト代表FWが涙を流した過去があったと明かした。
「彼(サラー)は不運だった。当時監督だったジョゼ・モウリーニョは、誰からも相手にされなかったからだ。ハーフタイムにモウリーニョがモハメド・サラーを口撃したアウェイの試合を覚えているし、彼は涙を流していたよ。」
「僕らは監督が彼をピッチに戻すと思ったけど、逆に彼は壊してピッチから退かせた。でも、それが当時の監督のメンタリティーだったんだ。」
「今ではそんなことはしないと思う。彼はより成熟し、若い選手との付き合い方を知っているはずだ。そうやって彼は当時、僕らからベストを引き出し、それが成功した理由だった。」
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その後、フィオレンティーナやローマでキャリアを取り戻すと、イタリア国内でも評価を高めた。その功績を認められて、リバプールが獲得に成功。世界中のディフェンダー陣を恐怖に震え上がらせたフロントスリーは周知の通り。
31歳になり、アシスト能力にも磨きがかかるエジプシャン・キングは、チェルシーでの恵まれなかった日々に腐ることなく、自らのキャリアに自らの力でふたたび光を灯した…