結果がすべてのプロの世界。スポーツにおいて、パフォーマンスがすべて。好成績を残せば、莫大な給与を手にできる一方で、低調なプレーに終われば、大幅な減給や契約打ち切り、契約更新なしなどシビアな現実が待ち受けている。
リバプールでも未来に向けて、この夏にも決断が迫られた。ジェームズ・ミルナーやナビ・ケイタ、アレックス・オックスレイド=チェンバレン、ロベルト・フィルミーノがそれぞれの理由によって、アンフィールドを後にした。
2024年6月にも契約満了を迎える選手が、現時点で4名。来年の1月からは、クラブの許可なしで移籍先交渉を行えるようになる。今シーズンのパフォーマンスを勘案しつつ、それぞれの残留可能性について考察していく。
チアゴ・アルカンタラ
来年4月には33歳を迎える元スペイン代表ミッドフィルダー。若手時代はバルセロナでトップチームに昇格するなど才能を見せ付け、出場機会を得るためにも2013年にはバイエルン・ミュンヘンに移籍。2020年には、新たなチャレンジを求めて、リバプールに加入した。
アンフィールドでは度重なる負傷によって、シーズンを通して活躍できていないものの、ピッチに立ったときには奇抜なパスや卓越したボールコントロールで中盤を支配。クロップ監督のもとで、的確なプレッシングにも磨きがかかり、ゲーゲンプレスを体現している。
ラテン系プレイヤーも増える中、兄貴的な役割もこなす。しかし、毎シーズン半分近くを欠場する計算できない選手を擁護するのは難しい。古巣バルセロナやイタリアからも関心が届いており、フリートランスファーで、ヨーロッパ南部に移り住む可能性が高い。
ポジション:ミッドフィルダー
契約終了日:2024年6月
残留可能性:20%
ジョエル・マティプ
ユース時代を過ごしたシャルケとの契約が切れた2016年に、リバプールに加入した元カメルーン代表センターバック。負傷で離脱することも多いが、近年は負傷癖も改善。イブラヒマ・コナテに次ぐ、フィルジル・ファンダイクのパートナーを務める。
しかし、年齢がすでに32歳とピークを過ぎており、所属クラブが左利きセンターバックを求めている事実を考慮すると、世代交代の時期が迫っていると言わざるを得ない。また、20歳DFジャレル・クアンサーも台頭しており、来夏での退団の可能性も高い。
他方、希望するセンターバックを獲得できない場合、またコナテやジョー・ゴメスのコンディションを懸念する場合には、リバプールがもう1年だけ残留を希望する選択肢も残されており、現時点では確率は半々くらいだろう。
ポジション:センターバック
契約終了日:2024年6月
残留可能性:50%
アドリアン
2013年にレアル・ベティスを去ったセビージャ出身GKは、その夏にフリートランスファーでウェストハムに移籍。2019年までロンドンでプレーすると、契約満了に伴い、リバプールに加入。当初は、ブラジル代表GKアリソン・ベッカーの控えを任された。
シュートストップに優れるGKだが、足元の技術が危なく、プレスをかけられたときに慌てる性格も直らずに、24歳GKクィービーン・ケレハーに第2GKの座を明け渡した。カップ戦でも出番を得られず、この夏にもスペイン復帰が濃厚と見られたが、1年間の契約延長に合意していた。
明るいキャラクターで、ゴールキーパー陣を盛り上げる役割も期待される36歳GKだが、これ以上の更新は見込めない。母国復帰か引退か、選択が迫られることになりそうだ。
ポジション:ゴールキーパー
契約終了日:2024年6月
残留可能性:10%
コナー・ブラッドリー
2019年にリバプール・ユースに加入した若き右サイドバックは、2021/22シーズンにはカップ戦やチャンピオンズリーグに出場するなど、将来有望なディフェンダーとして期待された。昨シーズンはボルトンにレンタル移籍で武者修行に励み、大きく成長して戻ってきた。
トレント・アレクサンダー=アーノルドの控えとしての活躍が見込まれたが、プレシーズンから負傷に悩まされ続け、いまだに公式戦の出場はなし。当初の役割を担えずに、ジョー・ゴメスが右サイドバックの控えを務めている。
まだ20歳なだけに、このタイミングで手放すとは思えない。シーズン後半戦に向けて、コンディションを取り戻せるか。2年から3年の複数年契約を結び、今後の成長を見守るのが現実的な路線と言える。
ポジション:右サイドバック
契約終了日:2024年6月
残留可能性:80%