リバプール・アカデミーで育ったトレント・アレクサンダー=アーノルドは、ユルゲン・クロップ監督就任後には、右サイドバックのスタメンの座を勝ち取る。プレミアリーグやチャンピオンズリーグをチームの主力として手中に収める一方で、ディフェンダーらしからぬアシスト数は新たなサイドバック像を示した。
昨シーズンからは偽サイドバックとしても稼働し、イングランド代表では中盤起用も増えており、新境地を迎える25歳ディフェンダーは、今季からは副キャプテンに任命され、ピッチ内外で新たなプレッシャーと戦い続けている。
これまでは若手選手として、年上の選手たちに引っ張ってもらうことも多かったが、20代中盤になり役割も変わった。20歳前後の選手も増えており、プレーや精神面で導く側に立っている。覚悟が必要な立場になった同選手の変化には、近くで取材をする英国人ジャーナリストも気付いている。
「トレント・アレクサンダー=アーノルドが昨シーズンの失意を誰よりも強く受け止めていたことは間違いない。そして、それは今シーズンのここまでの彼のパフォーマンスに表れていると思うし、彼は自分のプレーをさらにレベルアップさせている。」
「些細なことに聞こえるかもしれないが、プレシーズンの初日、髪を短く切ってAXAトレーニングセンターにやってきたときのことを思い出してほしい。その日、彼は “ビジネスだけだ” と言い、新しいキャンペーンに向けた集中力、新しい考え方を示唆した。」
「その1週間ほど後、ジョーダン・ヘンダーソンとジェームズ・ミルナーの退団に伴い、アレクサンダー=アーノルドは副キャプテンに昇格した。その日以来、彼がフィールド内外でクラブのリーダーの一人であるという考えを受け入れていることは明らかだ。」
Caught Offside
これまではチームを救うアシストを決めることも多かったが、今シーズンはフラム戦のように自らのゴールでチームを勝たせることもでき始めており、今後もその機会は増加するはずだ。
精神的に急成長を遂げているイングランド代表ディフェンダーは、新たな局面を見せるキャリアにおいて、どのような進化を遂げるのだろうか…?