昨年のクリスマスイブに開催されたリバプール対アーセナルとのプレミアリーグ首位決戦。アンフィールドでの一戦は、アウェイチームが開始4分で先制点を奪い、29分にはエジプト代表FWモハメド・サラーのゴールで追いつくも、試合は勝ち点 ”1” を分け合う形で収束した。
実力は拮抗しており、試合は最後の最後まで楽しめる内容であったが、問題のシーンは19分に起きた。サラーのトラップが流れると、ボールはそのままカバーに入っていたアーセナルMFマルティン・ウーデゴールの手に当たり、今シーズンの基準であればPKが与えられるものと思われた。
ところが、当日の審判団はウーデゴールが腕を畳んでいたと判断し、ペナルティはなし。ただし、映像を振り返ると、ノルウェー代表MFの手はボールの方向に進んでおり、意図的にボールの進路に手を出していたことは明らかだった。
今季はトッテナム・ホットスパー戦で誤審に見舞われ、アレクシス・マック・アリスターやカーティス・ジョーンズのレッドカードも疑問が残る判定が続いており、イングランドのプロ審判協会(PGMOL)の信頼が揺らいでいる。
PGMOLでチーフを務めるハワード・ウェブ氏は、大一番で見逃されたハンドボールに見解を示し、ペナルティが与えられて然るべきであったと主張した。
「現場のレフェリーは、(マルティン・)ウーデゴールが足を滑らせ、腕が地面に向かっているのを確認した。誰かが倒れたり、腕をついて転倒を中断した場合、その腕を支え手とすることは、過去にも話したことがあり、極めて確立された概念である。」
「しかし、この状況においては、転倒した通常の選手とは重要な違いがある。これはウーデゴールがたまたまボールの上に落ちたのではなく、彼の腕は外に出たが、それから腕を体の方に引き戻し、その時にボールが彼の腕に接触したのだ。」
「VARはその点に注目した。彼は、ウーデゴールが腕を体に戻すことで自分を小さくしようとしているケースだと考えた。それがここで重要な要素だ。本能的なものであれ、意図的なものであれ、腕をボールの方に戻すことで大きなアドバンテージを得ている。」
「このような状況でのペナルティはゲームとして当然であり、私もそう思う。それだけに、今回の一件は正しい結果には至らなかった。」
Sky Sports