2026年6月まで契約を結んでいたユルゲン・クロップ監督の今季限りでの退任発表は、”サプライズ” として世界中を駆け巡った。2015年10月にアンフィールドで指揮官に就任すると、チームを立て直し、プレミアリーグではマンチェスター・シティと熾烈なタイトル争いを繰り広げ、2019/20シーズンには、リバプールを30年ぶりとなるイングランド王者に導いた。
2018/19シーズンにはチャンピオンズリーグも制覇。2021/22シーズンには、最後の最後まで4冠の可能性を残し、全力で戦い続けた。チームの成績だけではなく、パッション溢れるキャラクターからもサポーターに愛されたドイツ人指揮官は、2024年6月をもってアンフィールドを離れる。
昨年11月にはオーナー陣に退団の意思を伝えていた同監督だが、今回の決断に至った背景について丁寧に説明。不振を極めた昨シーズンでその責任から離れることもできたが、チームを蘇らせるまで監督としての使命を全うしたとも語った。
「この瞬間、多くの人にとって、初めて耳にする話でショックなのは理解できる。でも当然、説明することはできるし、少なくとも説明しようと努力はしている。」
「このクラブのすべてを愛しているし、この街のすべてを愛しているし、サポーターのみんなを愛しているし、チームを愛しているし、スタッフを愛している。すべてを愛している。それでも、この決断を下すということは、僕がこの決断を下すべきだと確信しているということなんだ。」
「どう言えばいいのか、エネルギーが尽きかけているんだ。今は何の問題もない。いつかは発表しなければならないことは、もっと前からわかっていたことだが、今はまったく平気だ。何度も何度もこの仕事をすることは不可能だと知っている。」
「何年もの歳月を共に過ごし、一緒に過ごしたすべての時間、そして一緒に経験したすべてのことの後、君たちに対する尊敬の念が芽生え、君たちへの愛が芽生えた。そして、君たちに対する唯一の義務、それが真実なんだ。」
「昨年の11月に、クラブに伝えた。私がしている仕事は、外から見るとタッチラインにいたり、トレーニングに参加したりしているように見えるかもしれないが、大半のことはこういったことを中心に起きているんだ。シーズンが始まると、もう次のシーズンの計画を立てることになる。」
「一緒に座って、獲得候補選手や次のサマーキャンプ、どこに行けるかについて話していたとき、”もう自分がここにいる自信がない” という考えが浮かんできて、自分でも驚いたよ。それについて、自分でも考えじ始めていたんだ。」
「それから始まったわけじゃないけど、昨シーズンはものすごく大変なシーズンだったし、他のクラブだったら、”今までありがとう、でもここでチームを離れるか、ここで終わりにしよう” っていう決断になったかもしれない。でも、ここではそうならなかった。」
「私にとっては、このチームを再び軌道に乗せるために貢献することが、本当に、本当に、本当に重要だった。そのことばかり考えていた。それがかなり早い段階で実現し、大きな可能性を秘めた本当にいいチームであり、バランスの良い年齢層、優れたキャラクター、その他諸々があることに気づいたとき、自分のことをまた考え始めることができ、それが結果につながった。自分がやりたいことではなく、自分が100%正しいと思うことなんだ。」
「我々は、ここでの最後の試合か、あるいは他のどこか、つまり他の国や他の大会で、その瞬間を迎えるだろう。そういったことをする時間は十分にある。今こそ、本気でやり遂げよう。世間はこの決断を利用し、笑いものにし、私たちの邪魔をしたがる。」
「我々はリバプールだ。もっと大変なことを一緒に乗り越えてきた。私が就任するよりも前にも、さらに大変なことを経験してきた。それを強みにしよう。そうなれば本当にクールだ。このシーズンですべてを絞り出し、将来振り返ったときに笑顔になれるものをもうひとつ持とう。」
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