ジョーダン・ヘンダーソンやファビーニョら、昨シーズンまでアンカーを務めてきた主力ミッドフィルダーが想定外の退団。ともにサウジアラビアを新天地に選び、リバプールは守備的ミッドフィルダー獲得が必要となった。
移籍市場の早いタイミングで、アルゼンチン代表MFアレクシス・マック・アリスター獲得に成功したリバプールだったが、中盤の底を主戦場とする選手の確保には苦戦。当時ブライトンに所属していたエクアドル代表MFモイセス・カイセドに対して、プレミアリーグ最高額となるオファーを提示。
一方で、元サウサンプトンMFロメオ・ラビアにも熱視線を送っていたが、いずれもチェルシー移籍を決断。最終的に、リバプールはカイセドに提示した “6分の1” 程度の金額で、日本代表MF遠藤航をチームに迎え入れた。
加入直後こそプレミアリーグやクロップ・サッカーに適応できていなかったが、いまや先発メンバーに選ばれても不思議はないほどに成長を遂げた。昨夏のミッドフィルダーをめぐる補強を振り返ったクロップ監督は、やりたいことをすべて達成し、幸せな夏だったと語った。
「我々は(ジュード・)ベリンガムに興味を持っていたけど、他のことに使う予算がなくなるので、実現しないだろうと思っていた。すると突然、背番号 “6” の市場全体が上昇したんだ。私たちの “6番” が2人もチームを去った。市場が過熱したんだ。」
「そこで、(モイセス・)カイセドを獲得しようと思いついた。我々はすでに(アレクシス・)マック・アリスターを獲得していた。だが、彼はもう、チェルシーやポチェッティーノと感情的な合意をしていた。すべて問題なかった。それから、(ロメオ・)ラビアには彼なりの理由があった。」
「その後、私たちはトップの解決策を見つけた。幸運だったというのはそういう意味だ。ワタルに出会えた。ずっと頭の中にはステファン(・バイチェティッチ)のことがあった。その時点では、彼がまったく出場できないほどひどい怪我をしているとはわからなかった。マッカもこのポジションでプレーできると、すでに念頭にあったんだ。」
「それから、他のすべてのことを始めたんだ。ドミニク(・ソボスライ)は常に私の目に留まっていた。1億ポンド(の契約)のうちの1つでもうまくいっていれば、他の移籍を実施するチャンスはない。だから、その扉は開いていた。そういうことだ。我々が幸運だったと言ったのはそういう意味だ。私たちのいないところで、いくつかのことが決まった。もしダメだったらというシナリオにおいて、やりたかったことはすべてうまくいったし、本当に幸せだったよ。」